【ACL3節】柏 2-1 山東魯能|輪湖の値千金のヘッドで劇的勝利!

2015年03月17日 小田智史(サッカーダイジェスト)

仙台戦から中3日で攻撃面の課題を的確に修正。

柏はリーグ2節の仙台戦でスタメンを外れたレアンドロを先発起用。前線に基点が生まれ、攻撃に良い流れをもたらした。

 またもや、"日立台マジック"が起こった。柏は90+2分、クリスティアーノの浮き球に身長171センチの輪湖直樹がヘッドで合わせ、劇的な決勝弾。ホーム無敗記録は23試合に伸び(90分ゲームに限る)、グループステージ2勝目を手にした。

【ACL3節 PHOTOギャラリー】柏 vs 山東魯能
 
 中国のチームらしく、フィジカルの強さを押し出してマンマークで挑んできた山東魯能に対し、柏はボールを保持しながら攻撃を展開。レアンドロ(J1リーグ2節を欠場)がCFに入ったことで、「チームとしてボールを動かせていた」と大津が話すように、トップを起点にウイングとSBがスペースに飛び込みながら1タッチ、2タッチで崩していく、仙台戦ではなかった形が随所に見られた。
 
「どうやってペナの中に入っていくか。そこはチームとしても、個人的としても考える部分がありました。逆サイドで大津くんや輪湖がひとりで打開できるので、僕はシンプルに、逆サイドで上手くタメを作ってオーバーラップを促したり、1タッチ2タッチで局面を打開する。右と左で違った攻撃が出せたと思います」と、工藤は手応えを口にする。
 
 この日は、これまでの試合に比べてパスミスが目立ったものの、それに対し大津はポジティブな捉え方をしていた。
「ボールを回そうという意図の中でのミス。トライすればミスは出るし、そこを恐れていたら僕らのサッカーはできない」
 
 吉田監督も「攻めれば攻めるほど危険なスペースが生まれ、ミスを犯せば付け込まれる。失点のシーンは少し冷静さを欠いた。特に前半、何回かミスが起きましたけど、思っていた通りの得点、思っていた通りの崩し、狙っていた通りの組み立てで、選手は賢く勇敢にプレーしてくれた。今日はトライする姿勢を称えたい」と前を向く。
 
 両SBの裏のスペースを相手が突いてきた点についても、「ラインは高めに設定していたけど、相手が裏に走ってくる瞬間にラインを下げるという約束事はディフェンスラインで話していたので問題はなかった」(キム・チャンス)と意思疎通はできていたという。
 
 守備面の課題は出たが、リーグ戦(仙台戦)から中3日で攻撃面をアジャストしてきた点は価値がある。
「(3人、4人と絡んでいく)練習どおりのことができた。達磨さんの指導が形に出てきているし、選手も少しずつ上手くなっている。これだけ負けない(今季公式戦4勝2分)というのはチームとして正しい方向に進んでいる証だと思う」(工藤)
 
 確固たるスタイルを持ち、的確な修正力を持つ彼らならば、日本勢の苦戦が続く今大会でも、きっちりと結果を残し続けてくれるはず――。そう思わせる一戦だった。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

■試合の結果
ACL3節 グループE
柏 2-1 山東魯能
得点者/柏=武富(23分)、輪湖(90+2分) 山=モンティージョ(51分)
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