「彼女が妊娠してるのに無職で…」チェルシーの“新守護神”は超がつくほどの苦労人!? 「失業手当も足りない」

2020年10月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

1年間の無職生活で苦しむ

チェルシーの新守護神として期待されるメンディは、今では想像できないほどの苦しいキャリアを歩んできた。 (C) Getty Images

 今夏の移籍市場で小さくない期待を受けて、プレミアリーグの超名門の一員となったのが、セネガル代表GKのエドゥアール・メンディだ。

 197センチの巨躯と抜群の反射神経を利したセービングで昨シーズンにリーグ・アンの古豪レンヌで一躍ブレイクを果たした28歳は、チェルシーの名GKで、テクニカルディレクターを務めているペトル・チェフに見出され、移籍金2200万ポンド+400万ポンドのボーナスで5年契約を締結した。

 ここ数年、失点を招くミスを連発しているスペイン人GKケパ・アリサバラガに代わる新守護神の期待がかけられているメンディ。だが、その選手人生は決してエリート街道を走ってきたわけではない。プロ入りからわずか3年でクビとなる挫折も味わっているのだ。英紙『The Sun』が伝えている。

 2011年に当時3部のシェルブールでプロデビューを飾ったメンディだったが、初のプロの舞台で経験不足を露呈。2014年の夏には契約を解除され、そこから約1年間に渡って無職の状態が続いたという。

 この失業中の出来事をメンディは、次のように振り返っている。

「ある日の朝、代理人からクラブの練習場で、『君は契約を切られた』と伝えられたよ。そこから僕は毎朝、兄と一緒にジムに行くか、練習場を借りて、シュートストップの練習を重ねていた。

 最初の頃は良かったよ。失業手当を受けられて、サッカーにも専念できた。だけど、次第に信じられないほど苦しくなっていった。僕の彼女は二人の最初の子どもを身ごもっていたからね。失業手当も次第に足りなくなったんだ」
 
 困窮する生活状況に「他の仕事も探したし、このままサッカーを続けるべきかを何度も自問自答した」というメンディ。それでもプロとして生きる道を選んだ男にチャンスが舞い込む。2015年の夏にフランス屈指の名門マルセイユから練習生としてのオファーが来たのである。

 この当時の心境をメンディは、次のように語っている。

「クラブの練習に参加させるというトライアウトみたいなものだった。でも、幸いにも僕は合格したんだ。本当にホッとしたよ。1年も無職だった時は自分のやっていることに疑問を抱いていたからね。だけど、家族の支えでなんとか立ち上がれたんだ」

 マルセイユでも控えGKに甘んじたメンディだったが、2016年の夏にスタッド・ランスへ移籍すると才能がついに開花。2年後には祖国セネガルの守護神となるまでに飛躍を遂げた。

 自身の経験から「6年前に誰かが僕に『君は将来的にチェルシーへ移籍するよ』と言っても信じないだろうね(笑)」と話すメンディ。ブルース(チェルシー愛称)でのキャリアは始まったばかりだが、どん底から這い上がった男に恐いものなどないだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事