エジルがアーセナルで干されたのは中国政府批判が原因!? 英紙がスポンサーとの「微妙な関係」を指摘

2020年10月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

一方で反論も…

アーセナルで登録メンバーから外されてしまったエジル。その原因は彼の言動にあった(!?) (C) Getty Images

 現地時間10月20日、アーセナルは一つの決断を下した。10番を背負う元ドイツ代表MFメスト・エジルをプレミアリーグとヨーロッパリーグの登録メンバーから外したのだ。

 2013年の夏にレアル・マドリーから入団して以来、長らくチームの絶対的司令塔に君臨したエジルだが、ピッチ内外での行動からチーム内での求心力が低下。ついにはメンバーリストが更新できる来年2月まで公式戦でのプレーが不可能となり、事実上の戦力外となったのである。

 今回の決定についてアーセナルのミケル・アルテタ監督は、「これは単なるフットボールの決定事項だ」と説明。改めてエジルへ三行半を突き付けた。

 しかし、ナンバー10の"追放"には、指揮官の言う「フットボールの決定事項」以外にも理由があるのかもしれない。英公共放送『BBC』は、エジルが干された理由として中国政府に対する批判を挙げた。

 ムスリムでもあるエジルは、昨年12月に自身のインスタグラムで「中国は新疆ウイグル自治区のウイグル人を虐待している」と批判。これに対して中国外務省とサッカー協会が猛反発し、中国国営放送『CCTV』はアーセナル戦の放送を取りやめる事態に発展していた。

 今回の騒動について『BBC』と同じく中国との関係性を指摘する英紙『Daily Mail』は、アーセナルが中国でレストラン業を展開しているほか、複数の同国企業とパートナーシップを結んでいるために、「エジルをチームから除外するように」という圧をかけられた可能性を指摘している。
 
 一方で、あくまでエジルのパフォーマンスによる決定であるという声も小さくない。英衛星放送『Sky Sports』で評論家を務めているギジェム・バラゲは、「中国批判だけが原因ではない」と持論を展開している。

「彼は中国政府を批判してからもプレーし、いくつかの試合で招集を受けていた。エジルは間違いなく優秀だが、今はエリートとは呼べない。もっと集中して、周囲の指示に耳を傾け、ボールの有無に関係なく練習や試合で一生懸命に働き、チームと監督を信頼する必要があった。

 裏事情みたいなものを持ちこむことで、アーセナル・ファンに影響を与えることは簡単だが、彼自身がもっと真剣に信頼回復に取り組んでいれば、二人もの監督がチームから外そうとは考えなかったはずだ。今の彼は試合でコンスタントに影響を与えられない。だからアルテタ監督も除外することが最善と考えたんだ」

 いずれにしても苦境に立たされてしまったエジル。果たして、彼に再起の時は訪れるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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