【U-22日本代表】久保や南野だけじゃない。決戦の地で飛躍が期待されるアタッカー、浅野拓磨がスタンバイOK!

2015年03月15日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ボールを持った時の仕掛けは自分の武器」

松本とのゲームではゴールこそなかったが、類稀な突破力で局面を打開して、多くのチャンスを作り、存在感を示した。 写真:菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

 センターサークルでボールを足もとに収めた瞬間、一気にギアを上げる。長い距離を快速ドリブルで突き進み、対峙するDFをワンフェイクで"死に体"にしてシュート態勢に入り、左足で強烈な一撃を放つ。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・2節

 33分のこのシーンは惜しくもゴールの枠を捉えられなかったが、開幕戦に続いて敵地での松本戦でもスタメン出場した広島の浅野拓磨は、両チーム通じて最多の5本のシュートを放つなど、大きな存在感を放っていた。
 
 リーグ9位を記録したスプリント回数(32回/時速24㎞以上)を武器に、スピードを活かした突破で攻撃をリード。チーム内で確固たる地位を築きつつある浅野は、3月16日にはマレーシアに飛び立ち、今度はU-22日本代表の一員として、同27日に始まる2016年のリオデジャネイロ五輪のアジア1次予選(U-23アジア選手権予選)に挑む。
 
 出発前の一戦でハイパフォーマンスを見せ、「自分の特長はしっかりと出せたかなと思います。裏に抜け出す動きがなかなかできなかったですけど、ボールを持った時の仕掛けというのは自分の武器。それができたのは、自信にもなります」と表情は明るい。とはいえ、「だけどやっぱり、最後のゴールというところでさらに課題が見つかった」と改めて気持ちを引き締める。
 
 今回招集されたU-22メンバーには、常連の鈴木武蔵や中島翔哉、荒野拓馬らのほか、久保裕也や南野拓実ら欧州組も参戦し、攻撃陣は充実している。そのなかで、壮行試合となった先日のミャンマー戦では、4-2-3-1のトップ下で先発した浅野にかかる期待は決して小さくない。
 
「広島でも代表でも思うようにゴールが取れていないので、悔しさはあります」
 
 今の自分になにが足りないのかは重々承知している。だからこそ、求められる"結果"を強く意識して、マレーシアでの厳しい戦いに挑む決意でいる。
 
「まずはチームが勝つために、やるべきことをやるだけ。そのやるべきこと、一番大事な仕事はゴールだと思っているので。しっかり自分が結果を出して、チームの勝利に貢献したい」
 
 切なる想いを胸に抱いた成長著しいアタッカーの活躍に注目だ。
 
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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