【G大阪】右サイドで異彩を放つ高尾瑠。大分戦のスーパークリアは「まあ、そうですね」とあっけらかん

2020年10月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

過酷の連戦にあって9戦連続で先発中

G大阪の快進撃を右サイドで支える高尾。大分戦では超ビッグプレーが飛び出した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ第23節]大分 0-1 G大阪/10月18日/昭和電工ド

 日曜日に行なわれたJ1リーグ第23節、敵地での大分トリニータ戦に臨んだガンバ大阪は、CKからパトリックが頭で決めた1点を守り切り、貴重な3ポイントを奪取した。
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 大分戦で大きな勝敗の分かれ目となったのが、0-0で迎えた55分のプレーだ。G大阪は前がかりになっていたところを出合い頭でピンチを招き、大分MF田中達也に抜け出されてしまう。GK東口順昭も交わされ、無人のゴールに流し込まれるか……。その刹那、猛然と戻ってゴールラインのぎりぎりで田中のショットをスーパークリアしたのが、高尾瑠だった。

 その後G大阪は均衡を破り、お得意の逃げ切りパターンで見事に勝利。高尾はスーパークリアだけでなく、守っては数的不利な局面でも冷静に対処し、攻めては果敢に右サイドで打って出てチームアタックに奥行きをもたらした。まさにマン・オブ・ザ・マッチ級の輝きを放ったのだ。

 殊勲の右SBは試合後に55分のシーンを回顧。「タツヤくんが抜け出して、すぐにシュートを撃たれていたら間に合わなかった。キーパーが時間を作ってくれたおかげです」と謙虚に振り返り、「勝負のポイントになったのでは?」との問いかけにも、「まあ、そうですね」とあっけらかんに答えた。

 関西学院大学から入団して2年目の今季、大きく飛躍を遂げている。クレバーネスとタフネスを兼備し、3バックの右、右SB、右ウイングバックなどシステムとニーズに合わせて職務を全う。瞬く間に宮本恒靖監督の信頼を勝ち取った。チームは目下8戦負けなしだが、高尾はそのすべてで先発を飾っている(9戦連続先発中)。右サイドの選手層の薄さもあるが、攻守両面で質の高いパフォーマンスを保証しているのは誰の目にも明らかだ。

 指揮官は「夏場以降、球際やペナルティーエリア内での守備、ヘディングでの競り合いなどに改善が見られる。良い成長を望めるシーズンになっていると思います」と評した。

 高尾は堅守を拠り所とする現在のチーム状況を、次のように見ている。

「連戦だったので、最初に失点をすると逆転が難しい。まずはなにより最初の失点をしっかり守ってやっていこうと考えてました。でも(大分戦は)守備で前から行こうと思ってたけど上手くハマらなくて、ハーフタイムに中途半端に前に行って外れるのは良くない、行けなかったらちゃんとブロック組んでいこうと確認しました。守備がゼロなら攻撃はかならず1点は取ってくれる。そういうの(共通の意識)があるから、良い勝ち方ができてるんじゃないかと思います」

 口数は決して多くないが、雄弁にピッチ上で自己出張を続け、いまやG大阪の最終ラインに欠かせない存在へと台頭した23歳。昌子源、三浦弦太、キム・ヨングォンらとの切磋琢磨を通して鍛え上げられ、日進月歩の進化を遂げている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【J1第23節PHOTO】大分0-1G大阪|宇佐美のドンピシャCKからパトリックが豪快ヘッド!粘り強く戦ったG大阪が8戦負けなし!

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