「仲間ですら本気で嫌ってた…」“闘将”ロイ・キーンはどれだけ恐かった? 全盛期を知る人物たちが証言

2020年10月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

アイドル的な人気を誇った宿敵をとことん嫌って…

ユナイテッドの絶対的なリーダーとして君臨したキーン。仲間も恐れたキャラクターは半端ではなかった。 (C) Getty Images

 個性派揃いだった1990年代から2000年代初頭のプレミアリーグにおいて、誰もが恐れる闘将として知られたのが、元マンチェスター・ユナイテッドのロイ・キーンだ。

 当時のユナイテッドで、絶対的なリーダーとして君臨したキーンは、まさに"鬼教官"が如くチームを鼓舞。名将アレックス・ファーガソンが「彼は時にチームを支配して左右させる。だが、歴代ベストイレブンをつくるのなら絶対に入れる」と推すほどの存在感だった。

 彼にまつわる"恐怖エピソード"は枚挙に暇がない。元スペイン代表DFで、ユナイテッドでチームメイトだった経験を持つジェラール・ピケは、「ロッカールームで携帯がなっただけで狂ったように怒られた。僕は20歳になろうとしていたけど、本当に漏らしそうだった」と話すほどだ。

 味方ですら慄くほどの恐さを持っていたキーンが"宿敵"リバプールへ向けた闘志も半端ではない。元レッズのDFジョン・スケールズは、英メディア『talkSPORT』で、ある晩にパブで出くわした際のエピソードを明かしている。

「僕らはある晩にバーで偶然、キーンと出くわしたんだ。すぐに全員が『OK。ここから出よう』と考えたと思う。彼はこっちを睨みつけながら激しく罵ってきたからね(笑)。本当に耳から湯気が出ていたよ」
 
 1990年代のリバプールは、ジェイミー・レドナップやロビー・ファウラー、さらにスティーブ・マクマナマンなど"イケメン揃い"で、一部のメディアやファンからは「スパイスボーイズ」と名付けられてアイドル的な人気を博していた。

 周囲から黄色い声援を受け、ちやほやされていたライバルを、血気盛んだったキーンは酷く憎んでいた。元ユナイテッドのリー・シャープは、こう証言する。

「彼はアイルランド代表のチームメイトだったフィル・バブですら本気で嫌っていたよ。ある時にリバプールをどう思うか聞いたら『バブはコベントリーに戻りやがれって感じだ。レドナップは試合で何かしたか? 何もしてねぇだろ。それからスケールズはゴミクズ同然だな』と怒ったんだ。こっちも怒られそうなぐらいにね」

 チームメイトからも恐れられたキーン。そのキャラクターは、プレミアリーグ史でも稀有だと言えるだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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