【鹿島】直近2試合で計4失点。守備面の問題点と改善策を指揮官はどう考えているか

2020年10月09日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

スライドや押し上げ、経験、集中力

次節はホームに横浜FCを迎える。スピードのある松尾はとりわけ警戒すべき選手で、ザーゴ監督も「早めにスペースを消すことが重要」と語る。(C)KASHIMA ANTLERS

 序盤からペースを握り、相手を押し込み、いくつかのチャンスを築く。だが、その好機をモノにできず、前半をスコアレスで折り返すと、流れが悪くなった後半に失点。直近2試合(19節・大分戦/●0-2、20節・G大阪戦/●0-2)は、そうした試合内容で連敗を喫している。

 決定力に課題を残す一方で、先にゴールを許してしまう守備面にも問題が見え隠れする。この2連敗で計4失点。現状をザーゴ監督はどう捉えているのか。

「(試合が)1週間空く時は、ディフェンス陣、あるいはディフェンスラインの練習もやります。ラインのスライドや押し上げといったところですね。もっとスライドを早くしなければいけない試合もあれば、いつも通りのスピードでもいい試合もあります。ガンバは特に両サイドが高い位置を取るので、横のスライドをいかに早くするかが重要でした」

 スライドや押し上げの質を高めて、相手につけ入る隙を与えないようにする。次節の横浜FC戦でも、この点が焦点になりそうだ。

「横浜FCにも同じように、サイドに個で特長のある選手がいます。たとえば、左サイドにはスピードのある松尾選手がいて、スペースを与えれば、彼の武器、特長が出てしまう。そうさせないために、早めにスペースを消すことが重要になります」

 また、指揮官は世代交代が進むチームの現状についても言及する。

「おそらく、先発とか全体を含めて、リーグで2番目に若いチームだと思いますが、そうなると当然、経験値が足りずに、駆け引きやポジショニングで正しい判断ができない時もあります。そこは指導していかなければいけないし、改善の余地はあると思います」
 
 もっとも、「ディフェンスラインをコンパクトにするとか、求めていることができるようにはなってきている」という強みはある。加えて強調するのが集中力や注意力の持続で、「そこは口酸っぱく言い続けて、選手の意識改革を求めていかなくてはいけない」と語る。

 問題点は整理され、修正すべき点もクリアになっている。あとはそれをピッチ上で実践するだけ。高い位置での素早いトランジションと連動性あるプレッシングも洗練されてきている。足りない部分を補い、高めることで、よりソリッドな守備を構築したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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