「お金が原因ではない」サラゴサSDが香川真司の“戦力外”の理由を告白「満足できるレベルにないと…」

2020年10月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

気になる新天地候補と交渉の焦点は?

スペイン1年目で安定感を欠いた香川。その影響もあり、サラゴサは昇格を逃した。 (C)Mutsu FOTOGRAFIA

 欧州主要リーグの移籍市場は10月5日(現地時間)をもってが締め切りを迎えたが、日本代表MFの香川真司の去就はまで決まっていない。

 昨夏に2年契約でレアル・サラゴサに加入し、念願だったスペインでのプレーを叶えた香川。だが、高額年俸が問題となり、新シーズンの「EU圏外選手」の登録枠から外されて退団を迫られるかたちとなり、今月2日に双方合意のうえで契約を解除した。

 退団発表後に行なわれたオンライン会見では、「違う形で別れを告げたかったですね。だから悲しい。クラブの決断は受け入れるのも、理解するのも、難しいものでしたね。少し苛立ちも感じます」と胸の内を語っていた。

 そうした発言に対して、サラゴサの首脳陣も黙ってはいなかった。現地時間10月6日に地元メディア『El Desmarque』の取材でスポーツディレクターを務めるラロ・アランテギ氏は、「昨年は誇大広告になるような契約がたくさんあったが、楽観的すぎた。今年は複雑な年になる」と語り、香川と契約解除に至った舞台裏を明かしている。

「私たちは、シンジにエルチェとの昇格プレーオフから1週間後に、クラブが満足するようなスポーツのレベルにないと個人的に伝えたんだ。お金が原因ではない。

 そして、クラブは彼にフリートランスファーになるためのレターを送るなどして動いた。我々にとっても有益な複数のオファーを受けていたが、全て断る結果となった。1か月を経て契約を解除しなければならなくなったのは驚きだ」
 
 さらに、「個人的にはシンジを優れたプロフェッショナルとして評価していた」というアランテギSDは、次のように続けた。

「我々は発展途上のチームだ。いまやシンジのように優れた実績を持つ選手はいなくなった。だが、今の選手たちがより良い未来を待っていると期待している。数か月後には、どのチームにとって嫌な対戦相手となれるはずだ」

 スペイン・メディアでは、香川の新天地候補として、2部のサバデルとの交渉が連日のように報じられている。だが、このカタルーニャのクラブは、財政的に苦しく、選手の給与予算が日本円で5億円と報じられている。

 契約解除の条件としてサラゴサが給与の一部を負担することになるとはいえ、待遇面でどう折り合いをつけるかが、焦点になりそうだ。

 サラゴサ退団の際には、「今回の問題が僕の年俸にあったなら、それについて話し合うこともできた」と語っていた香川だけに、見返りを求めずにスペインでのプレーを続けるか。それとも――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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