「史上最も予測不可能だ…」対戦相手が来ない!? ユベントスがナポリにまさかの“不戦勝”で波紋広がる

2020年10月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

ユーベとナポリの会長の意見が食い違う

ユベントスが不戦勝を挙げたナポリ戦の結果が物議を醸している。 (C) Getty Images

 イタリアでまさかの事態が起きた。

 現地時間10月4日に開催が予定されていたセリエA第3節のユベントスとナポリの大一番は、後者が会場に現われずに、キックオフ直前で中止に。前者の不戦勝が決まった。

 一体何が起きたのか。事の発端となったのは、ジェノアで17名の選手が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生したことにあった。先月27日に対戦していたナポリでもピオトル・ジエリンスキとエリフ・エルマスと複数名のスタッフから新型コロナウイルス陽性が確認されていた。

 これを受けて、3日にカンパニア州の保健局は感染拡大を防ぐために、ナポリに遠征禁止を通達。敵地トリノへ行けなくなった同クラブは、イタリア・サッカー連盟(FIGC)とレガ・セリエA、そしてユベントスに対して試合の延期を要望していたが、直前であったために申請が通らなかった。

 そのため、試合会場に到着したユベントスはスタメンまでも発表していたものの、試合の中止が決定。レガ・セリエAは0-3でナポリの不戦敗とする措置を取るとしている。

 この異例の事態にイタリア紙『Gazzetta dello Sport』が「協定が裏切られ、サッカーが混乱している。史上最も予測不可能なシーズンの前触れだ」と綴るなど国内でも波紋を広がるなか、ユベントスのアンドレア・アニェッリ会長は、「FIGCのプロトコルがあり、我々はそれに従っただけだ」と、あくまで問題がナポリ側にあると主張した。

「FIGCとUEFAによって行なわれたことは素晴らしい仕事であり、リーグ戦を完了できることについて我々は冷静だ。スポーツのルールも同様に明確であり、チームが現われない場合は、懲戒処分を下されることになる。

 その点については明日、話し合いがあり、彼らの決定に基づいてさらなる処分が下るかもしれない。チームが予定されていた試合をするためにスタジアムに現われなかったという事実が、イタリア・サッカーに良いイメージを与えないことは明らかだ」
 
 一方、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、「我々は遠征の許可が与えられず、プロトコルを破ることで非難を受ける可能性も考慮した。青信号が最後まで灯らなかった」と声明で綴っている。

「試合は延期されなければいけなかった。コロナウイルスに感染した可能性のある選手たちがトリノへ行くことを考慮すると、必然的に第三者に接触するリスクがある。完全に安全の取れた移動などありえない。我々に下った決定が見直されることを願っている」

 双方の意見が食い違っている今回の一件は、いかなる結末を見ることになるのか。現時点でのプロトコルを遵守したことによる、ナポリの不戦敗という結果は、反発を受けそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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