【大分】「個の部分でも上回れた」清水戦勝利で指揮官が掴んだ手応え。片野坂サッカーが踏み出した次なるステップ

2020年10月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

決勝弾の田中も「かなり成長を感じています」

今季7ゴール目を決めた田中。得点を決めた試合はここまで全勝だ。写真:徳原隆元

[J1リーグ20節]大分2-1清水/10月3日(土)/昭和電工ドーム

 大分は、9試合ぶりに先発出場となった髙澤優也のゴールで先制するが、10分後に清水のジュニオール・ドゥトラのゴールで振り出しに戻された。しかし、直近5試合で4勝1敗と調子を上げてきているホームチームは、その後もチャンスを作り続け、田中達也が76分に決勝弾を決め2-1で勝利を収めた。

 清水の強力なブラジル人選手たちを相手にしても、引けを取らなかった大分。試合後に取材に応じた片野坂知宏監督は、「僕自身ゲームプランを立てるなかで、攻撃や守備の狙いに、個の部分を考えながらやっている。選手たちもタスクの部分も理解したうえでやってくれている。チームとしての狙いも全員が共通理解したうえでチャレンジしてくれているので、個の部分でも上回れたというところもあったのかなと思います」と喜びを露わにする。

 そして清水戦の内容を次のように分析する。
「ゲームに関しても、相手の攻撃の部分もある程度管理できて、もちろん失点したところは、修正しなければならないですが、後半なんとか修正できた。決定機は他にもあって、追加点が奪えなかったのは、本当にもったいないミス。そこを決めきることが出来れば、チームとしてどれだけ楽になるか」

 指揮官が語るように、この日の大分は多くのチャンスを創出。先制点をアシストした小出悠太は右サイドから田中との連係でたびたびチャンスを作り出すと、先制点の髙澤もクロスバー直撃のシュート放つなど、追加点の匂いを感じさせる働きぶりを見せた。

 昨季の途中に加入した田中や、今季から加入した髙澤と小出。5年目を迎える片野坂サッカーに、新戦力が順応し始めているのが窺える試合だった。
 
 片野坂監督は「大事なのはピッチで思い切って、積極的に、大胆にプレーしてくれること」として、「もちろん優先順位はある。チームのタスク、戦術があって、それを出来るだけやってほしい。そのうえで、こちらからの指示が絶対なのではなく、自分が判断したことを思い切ってやってほしい」と伝えたという。

 先制点を挙げた髙澤は、「個々では(監督から)いろいろ言われていると思いますが、最終的な判断はボールを持った人に任せるということもミーティングで言われている。なのでこれをしなきゃいけないという決めつけがないというのが、個々の能力が引き出されている要因じゃないかと思います」と語る。

 また決勝弾を決めた田中も、「最初にシャドーで出たときよりもプレーが整理できてきた。試合中の話し合いでユウタ(小出悠太)と連動した動きができた。今までは自分が裏に抜けることしか考えていなかったけど、仲間にスペースを与えるとか、プレーの幅が出てきた。今季は特に左右のシャドーとウイングバック、いろんなポジションをやらせてもらったことで、かなり成長を感じています」と明かした。

 今季の前半戦では思うような成績が残せなかった大分だが、既存戦力の成長や新戦力の順応でスランプを脱した。J3から一気に駆け上がってきた片野坂サッカーは、また新たなステップを踏み出したようだ。

【J1第20節PHOTO】大分 2-1 清水|大分が清水を圧倒!反撃を1点に抑え田中の決勝弾で勝利

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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