「ひとつ勝つために、一緒に戦おう」。浦和の主将・阿部がサポーターに訴える

2015年03月04日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

ACLブリスベンに負け公式戦3連敗。ブーイングが響くなか、今こそひとつに――と。

試合後、主将の阿部がゴール裏のサポーターの前まで行き、「ひとつ勝つために頑張る。だから一緒に戦おう」と訴えた。(C)菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

「まず、ひとつ勝つ。勝つために、俺たちも頑張るから、一緒に戦おう!」

 阿部が試合後にサポーターに人差し指を高く掲げて、今こそひとつになって戦おうと訴えた。その表情は彼がこれまでに見せたことがないほど、厳しく、そして熱がこもっていた。

 ACL2節のブリスベン・ロアー戦は"力負け"。公式戦3連敗を喫したとあって、スタンドからはブーイングが鳴り響いた。

 そんななかペトロヴィッチ体制下で4年連続主将を務めるボランチが、ゴール裏ではサポーターの傍まで行って、「今はひとつ勝つことが大事。だから一緒に戦ってほしい」と大きな声で繰り返した。

「もちろん言葉でいくら言っても、結果を出すことが大事だとは分かっている。結果がすべて。この敗戦も、ブーイングも受け止める」

 試合後にそう語った阿部は、一方で継続性の大切さも強調していた。

「とにかく悔しい。ただ、継続してきた積み上げに自信を持つことも今は大切。下を向いている時間はない。なぜ負けたかは考える必要はある。ただ良さは忘れてはいけないし、もっと伸ばしていけばいい。今こそ、ひとつの方向を向かないと」

 次の試合は、すぐにやって来る。中2日で迎える3月7日のリーグ開幕戦、昇格組の湘南が相手となる一戦に、阿部は必勝を期す。

「勝ちに行く。まず、ひとつ勝たなければ意味がない」。再び鋭い視線で、先を見据える。

 敗れたブリスベン戦では、興梠のフル出場、数的不利に立ちながらの猛攻……そのあたりは数少ない収穫に挙げられるだろう。確かに、ひとつ歯車が噛み合えば、加速を始める気配は感じられる。

 そのためにも求められるのは、阿部が訴えたように、今こそ浦和が一丸になること。それこそがこの苦境を突破するための第一条件だ。
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