「要望書を出したい」JリーグとNPBはスタジアムの“5000人以下”入場制限の改正を求める方向

2020年09月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

村井チェアマンも「入場できる観客数を増やすことも考慮したい」

現在は、収容人数が大きなスタジアムでも一律5000人以下の入場制限がかけられている。(C)SOCCER DIGEST

 Jリーグは9月7日、NPB(日本野球機構)と共同で行なっている「第15回新型コロナウイルス対策連絡会議」を開催し、終了後にオンライン上で会見を開いた。

 今回の大きなテーマは、現在実施しているスタジアムへの観客の人数制限について。

 プロ野球の斉藤惇コミッショナーは、「プロ野球やJリーグは、来年に迫った東京五輪や、そのほかいろんなスポーツの開催モデルになっている。現在は収容人数の50%以下または、5000人の少ない方となっている入場者数の見直しを政府にJリーグと共同で要望書を提出しようと思っています。地域ごとの感染状況を踏まえながら、一律5000人以下とするのではなく、比率で決める方が良いのではないかとも考えています」と会議で話し合われた議題について報告した。

 専門家チーム座長の賀来満夫氏は、「感染状況は落ち着きつつある」と現状を説明し、「完璧というわけではないが、観客、関係者ともに一緒に努力して作り上げてきている」「これまでに球場でのクラスターは発生していない」と現在のJリーグ、プロ野球の対応に一定の評価を与えた。
 
 専門家チームの三鴨廣繁氏は、「今後は第3波への対応が必要になってきます。その際に観客をどうするか。現在政府が出している"5000人以下"というのは、数字にあまり根拠がない。7万のスタジアムと1万5千のとではそれぞれ違う。今後は科学的根拠に基づいてパーセンテージで人数制限をやるというのが良いのではないか。ガイドラインを遵守するというのは続けないといけない一方で、ガイドライン自体の改善も必要となってくる」と今後の観客動員についても再考する必要があるのではないかと語った。

 Jリーグの村井満チェアマンはこう説明する。

「現状は実質的に50%というより5千人以下で行なっています。地域の感染状況やスタジアムの収容数などそれぞれに違いもあります。7万人規模の日産スタジアムから、J1基準となる1万5千人規模のスタジアムまで、J2、J3を含めるとさらに違いが出てきます」

 また、「現実的な感染対策と経済とのバランスを考えながら入場できる観客数を増やすことも考慮したい。前後1席を空けるなら(収容人数の)50%となりますし、1メートル以上空けるということでは収容人数やスタジアムの形状によって違いが出てきますが、30パーセント程度となるのかなと思います。そういった数字を嘆願するのか、現状の大規模イベント開催の要項を改正してもらう事のみで呼びかけるのが良いのか、考えていきたい」と近日中に意見をまとめ、Jリーグとしての要望を表明していきたいと語った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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