「三笘がまた2点? 浮かれてられない!」G大阪の大卒ルーキー、山本悠樹がJ1初先発で漂わせた“大物感”

2020年09月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官ツネは「あの高さまで行けたのは評価したい」

堂々とアンカーの大役を全うした山本。G大阪にまたひとり若き新星が台頭した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ第14節]仙台 1-4 G大阪/9月5日/ユアスタ

 今季初めて3得点以上を奪ったガンバ大阪が、敵地・ユアテックスタジアムで快勝を収めた。

【動画】G大阪の大卒ルーキー、山本悠樹が仙台戦で決めた圧巻ミドルをチェック!

 その一戦で鮮烈なパフォーマンスを披露したひとりが、大卒ルーキーのMF山本悠樹だ。レギュラーを張っていた矢島慎也の突然の負傷離脱により、3-1-4-2システムのアンカーの先発に抜擢登用された。今季はここまでJ3でのスタメンこそあるが、J1は途中出場で5試合に出場したのみ。しかもいずれも数分程度だ。井手口陽介の位置をひとつ下げるか、それとも遠藤保仁に出番を与えてもいい状況で、宮本恒靖監督はあえて22歳の技巧派に大役を任せたのだ。

 そして、指揮官の采配が見事に的中する。

 2列目の倉田秋、井手口と巧妙に連動しながら、山本は見事にチームのハイプレスを促進。ボールを奪っては素早く散らして局面を前へ進め、きわめて冷静沈着にゲームを牛耳った。
 
 圧巻だったのは、先制されて迎えた開始8分の一撃だ。一気のカウンターから自身もオーバーラップを仕掛けた山本は、敵バイタルエリアでこぼれ球を拾う。マーカーをひとりかわしてシュートコースを見出すと、ゴールまで20メートルの位置で右足を一閃! 地を這うようなグラウンダーのミドルを蹴り込んだのだ。

 記念すべきJ1初ゴールとなったが、派手に喜ぶこともなく、謙虚に右手で小さくガッツポーズ。山本は「今日はアンカーやったんですけど、相手のペナルティーエリア付近にどれだけ入っていけるかを意識してました」と振り返り、「普段からミドルシュートの練習もしてたし、相手が飛び込んでくるのも冷静に見えた。で、切り返した瞬間、コースが開くのも見えた。あとは力まずにしっかり当てることだけを意識して振り抜きました」と、少し早口ながら饒舌に"解説"してみせた。

 90分間を通してみれば、ミスも散見された。判断が遅れてボール逸する場面もあった。それでも、ゲームの主導権がめまぐるしく変わるなかで攻守両面に堂々と振る舞い、チームの4-1大勝に貢献したのだからあっぱれだ。

 宮本監督は「矢島の怪我があってユウキに(代わりを)務めてもらうことになったんですが、ボールを受ける場所、それを見つける良さ、プレッシャーをいなす良さ、守備面でもしっかり相手に食らいついていた」と称え、「一定以上のものを出すと期待して起用はしましたけど、ゴールの場面ですね、あの高さまで行けたのは評価したい」と目を細めた。

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