内田引退後の初戦で鹿島が意地の逆転勝利。FC東京はホームで連勝ならず

2020年08月26日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

ファン・アラーノが豪快なボレーで決勝弾

鹿島のエヴェラウド(9番)は執念の同点弾でチームを活気づけた。写真:サッカーダイジェスト

 [J1リーグ26節前倒し分]FC東京1-2鹿島/8月26日/味の素スタジアム

 FC東京がホームに鹿島を迎えた一戦は立ち上がりから激しいバトルが展開された。双方ともゴールへの意識が高く、アグレッシブに攻め合った結果、激しいチャージを受けてピッチに倒れ込む選手も何人かいた。

 15分を回った時点で0-0。ゴールに迫りそうな場面はありながらも、両チームの守備陣が踏ん張る形で拮抗状態が続いたのだ。

 FC東京は右サイドバックの中村拓、一方の鹿島は左サイドハーフの荒木の崩しからチャンスを作りかけるが、飲水タイム(23分30秒)までスコアは動かない。流れがどっちに転んでも不思議はない状況だった。

 その後、最初に決定機を掴んだのは鹿島。26分、左サイドからの永戸のクロスに反応したエヴェラウドがゴール正面から強烈なヘディングシュートを放つ。しかし、これはGKの林に防がれ、鹿島は先制のチャンスを逃がした。

 30分以降も一進一退の攻防が続いた。ホームのFC東京がセットプレーなどからシュートに持ち込むシーンもあったとはいえ、流れを引き寄せるに至らず。このまま前半は0-0で終わるかと思われた。

 ところが、前半終了間際(45+1分)に三田のチャンスメイクから中村拓がゴール前に入れたボールで鹿島のオウンゴールを誘発し、FC東京が先制。そこから鹿島の反撃に遭いながらも、そのまま1-0で試合を折り返した。
 
 迎えた後半、いきなりゲームは動く。鹿島が47分にGK沖の好セーブで大ピンチを凌ぐと、直後の48分にファン・アラーノのクロスからチャンスを作ったアウェーチームがエヴェラウドのゴールで追いついたのだ。

 これで勢いづいた鹿島は57分に逆転弾を叩き込む。荒木のチャンスメイクからファン・アラーノが左足で豪快に蹴り込んだシュートで2-1とひっくり返したのである。

 負けられないFC東京は60分に3枚代え。三田、アダイウトン、内田を下げて、D・オリヴェイラ、永井、安部を投入した。一方の鹿島も64分に土居、永木と交代する形でレオ・シルバ、和泉をピッチに送り込み、総力戦の様相を呈してきた。

 76分にドリブラーの紺野を入れて攻撃色を強めたFC東京も、なかなかエリア内で決定機を掴めず。むしろチームの重心が前掛かりになったぶん、鹿島のカウンターを食らうシーンも増えた印象だった。

 終盤はいわゆるオープンな展開に。それでも鹿島は慌てず、犬飼、関川、途中出場の奈良が3バックを組むような形でFC東京のカウンターにも備えてうまくゲームを運ぶ。そしてタイムアップ。結局、2-1で鹿島が内田引退後の初の公式戦をモノにした。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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