「アンリと同じだ」“ご意見番”カペッロ、CL決勝弾のコマンを手放した古巣ユベントスに苦言!「若手に主役なれなんて…」

2020年08月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

フランスのレジェンドを引き合いに古巣の強化をチクり

バイエルンで輝いた俊英を見て、カペッロは古巣に苦言を呈した。 (C) Getty Images

 大一番で先発に起用されたバイエルンのキングスレー・コマンは、ハンジ・フリック監督の期待に見事応えた。8月23日(現地時間)、パリ・サンジェルマンとのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝で、値千金の決勝ゴールを決め、チームを7シーズンぶり6度目の欧州制覇に導いたのだ。

 下部組織から約10年にわたってパリSGに在籍したコマンにとっては、格別の味わいだったに違いない。一方で、フランス王者にとって、これほど悔しいことはないだろう。ただ、彼らだけでなく、イタリア王者ユベントスも後悔しているかもしれない。

 2014年夏にパリSGを退団したコマンは、18歳でユーベに加入。1年目にセリエAで14試合に出場したものの、目立った功績を残せずに、翌シーズンからバイエルンにレンタルされ、その後完全移籍している。つまり実質的に1年で手放した選手が、5年後に欧州最高峰の舞台でチームにビッグイヤーをもたらしたのだ。
 

 コマンを手放したユベントスは、早計だったのではないか。少なくとも、ファビオ・カペッロはそう考えているようだ。イタリア紙『Corriere dello Sport』によると、カペッロはファイナルが開催される直前に、衛星放送『Sky Sport』で、「チャンピオンズ・リーグの決勝でバイエルンのスタメンだぞ」と、古巣ユーベに苦言を呈している。

「ユベントスが同じ失敗を繰り返してしまったのは明白だ。ティエリ・アンリは若くしてユベントスに加わり、(半年で)アーセナルへ去っていった。コマンも同じことだ。クオリティー(のある選手)を見たら、待たなければいけない。若手にすぐに『主役になれ』と求めることはできないんだ」

 国内リーグで9連覇を成し遂げたものの、悲願のビッグイヤーを目指したCLではベスト16敗退に終わったユベントス。クリスチアーノ・ロナウドとともに欧州制覇を目指すイタリア王者は、新米監督アンドレア・ピルロとともに、どのようなチームを編成していくのだろうか。そのなかで、コマンのような新進気鋭の逸材は発掘されるのだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

次ページ【動画】バイエルンにビッグイヤーをもたらしたコマンの決勝ゴラッソはこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事