【ブンデス】ルールダービーで対戦した香川と内田。地元紙の評価は!?

2015年03月01日 山口裕平

チャンスメーカーとして輝いた香川

得点、アシストは残せなかったもののチャンスを作り続けた香川。復活を印象付けるパフォーマンスだった。(C) Getty Images

 ドイツ最大のダービーとされるルールダービー。ドルトムント、シャルケ両チームの本拠地はわずかに25キロしか離れておらず、この一戦は常に熱を帯びる。シャルケの内田は「死んでも出ようと思っていた」と語り、出場へ並々ならぬ意欲を見せていた。そのなか167回目のライバル対決はホームのドルトムントが終始試合を支配し、3-0と快勝した。
 
 ブンデスリーガでもはや珍しくない日本人対決も、この歴史あるダービーで実現するのはやはり大きな意味がある。試合数日前まで香川は胃腸炎の疑いで、内田は膝と太腿痛の影響で出場が危ぶまれたが、ともに先発に名を連ねた。
 
 より大きなインパクトを残したのは香川だ。結果こそ残せなかったものの、決定機を何度も作り出し攻撃のアクセントになった。マッチデー・プログラムで「その笑顔が帰って来た」と表紙を飾った香川は、そのキャッチに相応しい活躍で復活を印象付けたのだ。
 
 現地紙『ビルド』の採点で、香川がチームワーストタイの3点に留まったのは、ゴール、アシストといった目に見える結果を出せなかったからだろう。事実、この日香川が放ったシュートはわずかに1本。計30本のシュートを放ったチームのトップ下としては物足りない数字である。
 
 パスの出し手より受けてタイプが多いチームにおいて、供給役に回った香川自身も、「自分自身でどうフィニッシュに持っていくか、もっと絡んでいかなければいけない」と課題を口にした。唯一のシュートは裏のスペースに飛び出し、相手DFのクリアミスをループで狙ったもの。決められるチャンスだっただけに、もったいなかった。
 
 ただ、この日の香川は、チャンスメーカーとしては素晴らしかった。相手CBとボランチの間でボールを引き出し、絶妙なターンで前を向き決定機を作り出した。
 
 スピードのあるロイス、オーバメヤンを活かすため、相手の裏へスルーパスを出し続けた香川は、シャルケの3バックに"後ろ向きでの対応"を強いるなど苦しめた。「たられば」ではあるが、香川の作り出した決定機をチームメイトがモノにしていれば評価も違ったはずだ。前半だけでアタッキング・サードへのパス成功数は9本。これは両チーム最多の数字で、そのうち3つは決定機につながっている。
 
 結果的にドルトムントは香川の交代直後に3ゴールを奪った。ただ、内田が「前半から真司にはだいぶやられていたし、ラッキーな部分もあったから点を取られるのは時間の問題かなと感じていた」と振り返ったとおり、"香川が退いたから"点が決まったわけではない。

次ページ2失点目に絡んだ内田は現地紙で低評価

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