香川真司が孤軍奮闘もエース不在のサラゴサは痛み分け。昇格PO初戦は数的不利の相手を崩せず

2020年08月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

香川はコンディションの良さを感じさせるも…

エースのスアレスのいないサラゴサの攻撃陣を牽引した香川だったが、ゴールを呼び込むことはできなかった。 (C)Mutsu FOTOGRAFIA

 現地時間8月13日、スペインのセグンダ・ディビジョン(2部)の昇格プレーオフ準決勝の第1レグが行なわれ、レギュラーシーズンを3位で終えたサラゴサは、最終節で6位に滑り込んだエルチェと敵地で対戦した。

 サラゴサにとって8シーズンぶりの1部昇格に向けて負けられない一戦で、注目の日本代表MF香川真司は、4-2-3-1のトップ下でスタメン出場を果たした。

 試合は立ち上がりから互いに中盤でボールをせめぎ合う緊張感のある攻防戦が続く。丁寧なビルドアップからの攻撃を狙った両軍だったが、荒れたピッチコンディションの影響を受けて決定打を繰り出せない。

 均衡状態が続いたなかで、30分にホームチームのエースが愚行を犯す。敵DFヤミクともつれたエルチェのジョナタスが足を報復的に踏みつけ、VAR判定の末に一発退場処分となったのだ。

 数的有利となったサラゴサは、幅広いエリアをカバーしつつ、中盤で積極果敢な肉弾戦を演じた香川が見せ場を作る。45分、速攻から右足のアウトサイドで絶妙なスルーパスを前線に供給。これに反応したブルギのシュートは敵GKに弾かれたものの、決定機を生んだ日本代表MFはコンディションの良さ感じさせる。
 
 スコアレスで迎えた後半は、数的不利となって守勢に回ったエルチェをサラゴサが押し込む展開となる。

 ボールをポゼッションして攻め込むアウェーチームだったが、今夏に貸し出し期限が切れ、保有元のワトフォードに戻ってしまったエースのスアレスを欠いた影響から攻撃陣が決め手を欠く。57分には敵エリア左でルーズボールを素早く回収しに行った香川がダイレクトで折り返したボールに、やや反応の遅れたリナレスは合わせられない。

 その後も攻勢を強めたサラゴサは、86分にはゲームメイカーとして孤軍奮闘した香川を下げ、パワープレー気味の攻撃にシフトしたものの、70分を過ぎてから完全に自陣に下がったエルチェの堅牢を打ち崩せないままにいたずらに時間を浪費した。

 結局、スコアレスで試合は終了。昇格プレーオフ決勝進出の行方は、2日後にサラゴサの本拠地で行なわれる第2レグに委ねられることになった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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