古巣のサプライズ人事を、レジェンドはどう見ているのだろうか。

　ユベントスは８月８日（現地時間）、マウリツィオ・サッリ監督を解任した。５連覇を達成したマッシミリアーノ・アッレグリを解任してまで招聘してから、わずか１年で見切りをつけた形だ。

　その後任として白羽の矢が立てられたのは、10日前にU-23チームの指揮官就任が発表されたばかりのアンドレア・ピルロ。現役時代にミランやユベントスで活躍した稀代の司令塔だ。

　ただ、ピルロは指導者に転身したばかりで、トップチームでの経験どころか、ユース指導の下積みもない。それだけに、イタリア王者の決断には賛否両論が巻き起こっている。

　長年にわたってユベントスでキャプテンを務め、ピルロとはユーベやイタリア代表でともにプレーしたアレッサンドロ・デル・ピエロは、古巣の選択に驚きを表しつつ、かつての仲間に期待を寄せた。
 

　イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、デル・ピエロは衛星放送『Sky Sport』で、「数年前から元選手の監督転身についての認識は変わった。今は下積みがなくても信頼する。インザーギ兄弟なんかがその例だ。彼らだけじゃない。ピルロには特別な知的クオリティーがある」と話している。

「ジネディーヌ・ジダンとの比較は間違えているよ。彼はカルロ・アンチェロッティのアシスタントコーチを務めたし、レアル・マドリーのBチームも指導した。ただ、アンドレアはユーベの環境や選手たち、クラブをよく知っている。明確に話をしたと思う。もちろん、大きな驚きだけど、彼はビッグなことをやるだろう。私はそう願っている」

　さらにミラン時代のチームメートであるアレッサンドロ・コスタクルタも、「アンドレアにカリスマとパーソナリティーがあるのはよく知ってのとおり。彼はインテリジェントな人だ」と続いた。

「もちろん、一部の選手と対話できるかどうかは問題となる。アンドレアにとっても、ユーベにとっても、リスクのあるチョイスだ。それは疑いない。だが、素晴らしいギャンブルだ。わたしには予想外だった。おそらく彼にとってもそうだろうけどね」

　かつての仲間たちも期待を寄せられたピルロは、監督初経験でユベントスを栄光に導けるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部