J2の大宮対福岡はコロナ陽性疑いで直前に試合中止が決定…Jリーグが緊急会見

2020年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

村井チェアマンも「Jリーグを代表してお詫び申し上げます」

緊急会見で経緯を説明した村井チェアマン。※写真は会見時のスクリーンショット

 Jリーグは、本日8月2日に開催が予定されていた、J2の大宮アルディージャ対アビスパ福岡の一戦を中止すると発表。同日緊急会見をオンライン上で開き、Jリーグの村井満チェアマン、大宮の森正志社長、福岡の川森敬史社長が出席した。

 試合中止になった経緯は、Jリーグ公式検査の結果、アビスパ福岡の選手1名が、陽性の可能性が非常に高いと判定された。Jリーグの公式検査で得られた様々な数値から、限りなく陽性に近いとの判断が下された。陽性だった場合、試合開始前までに濃厚接触者の特定が行なえないため、中止を決定したという。

 この試合のホームチームである大宮の森社長は「こういう形で中止となってしまったのは、私どもとしても非常に残念に思っています。しかし、私どもは安心、安全なスタジアム運営を行なっていかなければならないという使命もございます」と語り、すでに一部入場も行なわれていたなか、来場者を速やかに帰宅させるなど対応に追われたという。

 アビスパ福岡の川森社長は「この度、試合直前のこのようなタイミングで、私どもの所属選手1名が、新型コロナウイルス陽性の可能性が非常に高いという事態になりまして、ファン・サポーターのみなさまをはじめ、関係者の皆様に大変ご心配とご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げたいと思います」と謝罪すると、該当選手の近況を伝えた。

 当該選手は試合直前の検温では36.2度、自覚症状もなかった。行動履歴アプリで確認したところ、自治体から注意を促されているような行動はなく、Jリーグからの連絡後、他の選手と隔離していたという。今後の対応については、地元の保健所と連絡を取りながら対応にあたるという。陽性が確定した場合は後日詳細を発表する見通しだ。
 
 Jリーグの村井チェアマンも、「すでに多くのファンの方々がスタジアム内や、その周辺にお集まりいただいていたところでの中止決定の知らせだったと思います。多くの関係者の皆様にご迷惑をおかけしたこと、Jリーグを代表してお詫び申し上げます」と陳謝した。

 通常、公式PCR検査は、金曜を中心に検体を採取し、水曜開催の試合までに結果を確定。検査結果の一報は月曜、火曜に発表される手筈となっている。

 第4回となった今回は7月31日に検体を採取した。しかし、昨日代表招集されていた町田の選手が陽性判定を受けたという連絡を受け、特定クラブの検査結果を優先的に出すように要請した。その過程のなかで福岡の選手の件も出てきた。

 以前に陽性者の出た名古屋のケースでも、今回のケースでも定例検査の間に感染していることから、JFAが採用しているSmartAmp法の採用も視野に入れているという。

「例えば試合開始前の試合会場で検体を採取して短時間で結果が出るというJFAが採用しているSmartAmp法というものもあります。そういった非常にスピードが速い検査と普段のPCR検査の併用という可能性もあると思います。試合会場で検査できれば、登録選手のみで済むので、場合によっては3分の1程度の検査数で済む。その分2週間に1度行なっていた検査の回数は、試合ごとというように増えることになると思いますが。トータルの実効性とコスト、検査スピード様々な角度で大至急検討に入りたいと思っています」と今後のさらなる改善を表明した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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