【ACL開幕プレビュー】浦和編|相乗効果が生まれる良い流れで初陣へ

2015年02月22日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

2年前の悔しさを胸に、本気モードで挑む。

2年ぶりのACLに臨む浦和。主将の阿部は「アジアで『浦和レッズ』の名を広めたい」と意気込む。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグよりもひと足先に開幕するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)。日本勢は2月24日にG大阪、柏が開幕戦を迎え、翌25日には鹿島、浦和が登場する。
 
 2008年のG大阪以来、このタイトルから遠ざかっている日本勢だが、果たして今季はいかなる戦いぶりを見せてくれるのだろうか。
 
 ここでは、07年以来の王座奪還を目指す浦和の現状とACL躍進へのポイントを探る。
 
――◆――◆――
 
浦和
ACL最高成績:優勝(2007年) 
昨季リーグ成績:2位 勝点62 18勝8分8敗 52得点・32失点
 
 Q
補強を含めたプレシーズンここまでの準備は、100点中何点?
 
80点
 リーグ全体としては動きが少なかった今オフだが、それでも相次いで他クラブの主力クラスの選手を獲得し「主役」になった。キャンプでは体力トレーニングに例年より多く時間を割いてフィジカル面の強度を高めつつ、紅白戦では様々なメンバーを組み合わせて底上げを図った。
 
 実戦が多く組まれた指宿での2次キャンプでは、新加入の橋本とズラタンが新たな攻撃パターンに絡んで得点を生み、武藤も得点を決めて好アピール。すると李が清水戦で4ゴールと爆発するなど相乗効果が生まれる良い流れのなかで、ACLの初陣・水原三星戦を迎える。
 
Q
昨季から大きく変わった点は?
 
 ウイングバックは、左に橋本、右に宇賀神という新たな組み合わせで連係を高めている。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)体制下で、左サイドに左利きの選手を配置するのは初めて。実戦では橋本のクロスから、ズラタンや石原の高さ、その裏を突いた宇賀神の飛び出しなどと絡み、これまでになかった形からたくさんのチャンスが生まれている。
 
Q
チーム最大の強みと懸念材料は?
 
 逆に本来の武器であるショートパスからの崩しが少ないのはやや気がかり。柏木がこれまでボランチに入り、サイドへの展開、DFの背後を突くスルーパスなどで存在感を示す一方、クサビのパスを入れて、前線の3人が連動しながらゴールを奪う場面が見られずにいる。
 
 昨季のようなゴール前でのパスの崩しにもこだわるのか、よりクロス主体にするのか、そのあたりの模索はしばらく続くか。
 
Q4 ACLへの本気度(対策の充実ぶりなど)とチームの目標は?
 
 本気で優勝を狙っている。2年前、その後ACL王者になる広州恒大をホームで撃破しながら、グループステージで敗退している。当時の悔しさや虚しさは相当で、選手、スタッフはとにかくリベンジに意欲を燃やしてきた。「アジアでレッズのサッカーを見せ、『浦和レッズ』の名を広めたい」と主将の阿部も誓う。
 
Q
目標達成へのポイントは?
 
 疲労度の高いウイングバックは、橋本、宇賀神、平川、関根、さらに梅崎を含め、ローテーションさせていきそう。平川と関根も好調を維持しており、ふたりが出場した時にチームのパフォーマンスが落ちないかどうか。
 
 また、DF永田は高さと1対1の守備が買われ、ACLで多くの出場機会を得そう。彼の出来は、重要なポイントになるか。
 
 2年前はアウェーで勝点を取りこぼしたことが影響を及ぼした。もしも初戦の韓国に乗り込む水原三星戦をモノにできれば、かなり気が早いが……「グループステージ突破は確実」と見ていいかもしれない。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
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