【三浦泰年の情熱地泰】プロは「勝たせて」ナンボ! 今年のJリーグを勝たせるのは誰だ?

2020年07月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

クラブも監督も勝たせてくれる選手をいつの時代でも必要としている

ウエスカをスペイン1部昇格に導く活躍を見せた岡崎。まさしくチームを「勝たせる」存在となっていた。(C) Mutsu Kawamori/Mutsu FOTOGRAFIA

 Jリーグも再開し、数試合を消化した。

 コロナ渦が収まらない中、Jリーグは無観客から限定した人数で、たくさんの規制をかけて公式戦を開催している。

 元へ戻すという感覚を捨て、「元には戻らない」というリスクマネージメントの意識を持ちながら、運営をしていくことになっているのであろう。

 DAZNの解説をやらせてもらったが、社会的な距離を取り、一定以上の間隔でまばらに座るサポーター。アウェー側もホームカラーのサポーターが座り、少し違和感もあるが、それが新しい様式なのだ。

 思えばブラジルでもアウェーサポーターの入場禁止の試合があった。理由はサポーター同士の喧嘩、暴動だ……。因縁対決、ビッグクラブ絡み、過去に問題を起こしているクラブ間など、そういった対戦ではアウェーサポーターの入場は禁止となる場合がある。

 今回はコロナの影響ではあるが、ある意味、仕方がないと受け入れていかなくてはいけないのであろう。

 注目の順位であるが、予想の立てにくいシーズンとはいえ、J1はしっかりとこれまでの蓄積がある川崎フロンターレが首位に立ち、J2はブラジル人選手を堅実に補強して臨んだ長崎が首位に立った。

 チーム力であったり、チームの完成度であったり、選手のコンディション面など心配される部分はあったが、ここまでの状況を見ると、スタジアムの盛り上がりはともかくとして、まずまずの再開なのではないであろうか!?

 まだ始まって数試合が終わったばかり。これからどう変化していくか分からないが、コロナの影響がなくても、サッカーというスポーツは一方が負けて、一方が勝つ。

 ポイントは3か1か0で、必ずその都度、首位と最下位が決められる。

これはコロナとは関係ない。そんな中で、下からのスタートを切ることになったクラブは建て直しに試行錯誤する。今回であれば、J1は清水、J2は琉球(7月21日現在)だ。

 これはどんなシーズンであったとしても、その位置に何処かのチームの名前があるのである。

 そういう状況では、どんな選手がチームにとって、クラブにとって、監督にとって必要なのであろうか?

 ヨーロッパはシーズンフィニッシュを迎えた。降格、昇格、チャンピオンが決まり、コロナでの中断明けは苦しい試合だったと思う。

 岡崎は凄い仕事をした。セグンダ(2部)にいたチームをプリメーラ(1部)に引き上げたのだから。それも12得点と個人の成績でも驚異的な貢献度だ。

 逆に久保は2部へ、柴崎は3部に降格。個人としてはそれなりのパフォーマンスで評価を得たとしても、チームスポーツとしての評価はチームがどうなったかだ!

 原口、富安も好評価をリーグでもらい、数多くの日本人選手がヨーロッパでいろんな評価をもらっている。

 ただサッカーは日本のプロ野球とは違う。野球はシーズン最下位でも三冠王を取れば年俸は上がっているし、ピッチャーも最多勝、防御率が良ければ最大の評価をもらえる。チームの結果とは別に、個人の結果も大きな評価の対象だ。

 しかしサッカーは違う。得点なら勝利に繋がる得点か? GKなら勝利に繋がるセーブをしたか。

 そしてチームもクラブも監督も勝たせてくれる選手をいつの時代でも必要としている。

次ページ今は若い世代の選手を直ぐに良い選手と言ってしまう。そんな世の中が少し心配だ。

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