「16歳で欧州クラブの大半が…」サンチョの代役に!? ドルトムントが獲得した“超逸材”ベリンガムとは何者か

2020年07月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

誰もが太鼓判を押すワンダーキッド

バーミンガムで年齢を感じさせない存在感を放ったベリンガム。ドルトムント移籍が決定した。 (C) Getty Images

 現地時間7月20日、ブンデスリーガの強豪ドルトムントは、イングランド2部のバーミンガムからU-17イングランド代表MFジュード・ベリンガムを獲得したと発表した。契約期間は2025年6月までで、移籍金は公表されていないものの、ドイツのサッカー専門誌「Kicker」は、移籍金が推定2500万ユーロ(約30億円)になると報じた。

 ドルトムントが引き抜いたのは、フットボールの母国が生んだ超逸材だ。

 昨年8月に16歳と38日でデビューを飾り、クラブの最年少出場記録を更新すると、同月31日のストーク戦では最年少得点記録も樹立。今シーズンは公式戦40試合に出場して4ゴール・3アシストと堂々たる成績を残した。

 一時は、本人をクラブハウスにまで招いたマンチェスター・ユナイテッドが合意間近と報じられたが、最終的に若手を大成させることに長けているドルトムントが争奪戦を制した。

 センターとサイドを器用にこなし、推進力のある持ち上がりと卓越したパスセンスで攻撃に違いを生み出すベリンガム。まだ17歳で粗削りな面は否めないが、今夏に同じイングランド人の逸材ジェイドン・サンチョをメガクラブへ売却する可能性があるドルトムントにとっては、その後釜という意味でも喉から手が出るほど欲しかった人材だろう。

 次代を担う"ワンダーキッド"の決断をフットボールの母国はどう見ているのか? かつてリバプールやトッテナムで活躍したダニー・マーフィーは、英メディア『talk SPORT』で、次のように語っている。
 
「正直に言えば、彼がドルトムントに行くことは驚きだ。我々の若い時には、フットボールで人生を満たそうなんて考えていなかった。とくに違う国で、新しい文化や言語を学ぶとなれば、毎日の練習に集中できないかもしれない。そうしたなかで、彼が新たなチャレンジを決断したことに感心している」

 さらに英公共放送『BBC』は、バーミンガムのジョゼップ・クロテート監督のコメントを紹介。ベリンガムを見出したスペイン人指揮官は、「彼の退団は惜しい」としつつも、その凄みを表わすエピソードを交えつつ、さらなる飛躍に太鼓判を押している。

「彼は、新型コロナウイルスのパンデミック下でも一貫して素晴らしい仕事してきた。私が思うにジュードは、あの若さとは思えないほどにタフな選手だ。いつだって本当に研ぎ澄まされている。注目度は言うまでもない。デビュー間もない昨年10月のミドルスブラ戦には、欧州の半分以上のクラブが彼を見に来ていたからね」

 新天地でのさらなる飛躍が期待されるジュード・ベリンガム――。その名前を覚えておて損はないだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

次ページ【動画】バーミンガム公式が作成したベリンガムのプレー分析ムービーはこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事