「我々は落ちてない!」「これは虚だ」前代未聞の3部降格にデポルティボが怒り!最終節のやり直しを訴え

2020年07月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官と会長が憤怒

最終節での出場が見込まれていた柴崎だったが、ピッチに立たずして降格が決定してしまった。 (C) Mutsu FOTOGRAFIA

 前代未聞の降格劇に怒りの声が高まっている。

 現地時間7月20日に開催されたラ・リーガ2部の最終節で、日本代表MF柴崎岳の所属する19位デポルティボは、自力での残留の可能性がない中でフエンラブラダ戦に臨む予定だった――。

 しかし試合開始直前、相手の選手7人を含む12人のクラブ関係者の新型コロナウイルス感染が明らかになったため、この一戦だけが延期に。残留を争っていたアルバセーテとルーゴがいずれも勝利を収めたため、デポルティボの降格が決定した。

 戦わずして40年ぶりの3部降格が決まってしまったデポルティボ。結果的に、勝っても残留には手が届かなかったとはいえ、「もしも試合をやれていれば……」という想いが消せないのは当然だろう。降格決定後にフェルナンド・バスケス監督は、この試合だけを延期にしたラ・リーガやスペイン・サッカー連盟の決定に怒りを露わにした。

「ルーゴとアルバセーテは、我々のプレッシャーを受けることなく、アドバンテージを持ってプレーしている。仮に我々が開始5分でリードしていたら、それがアルバセーテのゲームに影響しないといえるか?

 それにエルチェがプレーしていることも理解できない。(新型コロナウイルスの)検査結果は3、4日かかることがある。それなのにエルチェは、2、3日前にフエンラブラダと対戦していた」
 
 さらに「リーガ、連盟、CSD(スペインスポーツ局)は『選手を守るためだ』と言っているが、エルチェは試合をやっている。彼らの虚だ」と主張した指揮官に同調するように、フェルナンド・ビダル会長も憤怒した。

「驚いたのは、そのほかの試合が開催され、私たちの試合だけが延期となった点だ。それはスペイン・サッカー連盟とラ・リーガの深刻な過ちだ。まさに雑な仕事としか言いようがない。全試合が同じ時間に開催されなくてはならないし、完全なる規則違反だ。今日は本当に奇妙な日だ。大会に不純物が混和してしまったんだよ」

 同日に公式サイト上で試合延期に関して、法的処置も検討していることを明らかにしたデポルティボ。ビダル会長は、こうも言い放っている。

「この問題をどう解決するべきか? もう一度、最終節を開催しなければならない。それ以外の選択肢はないんだ。デポルティボは2部B(3部)に降格なんてしていない。より権威のある機関にまで訴えるつもりだ」

 果たして、デポルティボの悲痛な訴えはスペイン・サッカーを取り仕切る機関に認められるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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