「リッチな人が好き勝手に…」シティの処分撤回にクロップとモウリーニョは不満! 一方のペップは「理解すべき」と反論

2020年07月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「酷い裁決だ…」

ライバルであるシティへのCASの判決にクロップ(左)とモウリーニョ(右)が不満を露わにした。 (C) Getty Images

 マンチェスター・シティに対するUEFAの処分がスポーツ仲裁裁判所に撤回されたことは、プレミアリーグを代表するカリスマ指揮官たちの不満を呼んだ。

 シティの2年間のUEFA主催大会、事実上のチャンピオンズ・リーグ(CL)出場を禁じる処分が白紙となり、トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督とリバプールのユルゲン・クロップ監督は、ファイナンシャルフェアプレー(FFP)の在り方に疑問を投げかけた。

 英衛星放送『Sky Sports』によると、クロップは、「シティがCLに出られるのは嬉しいが、正直、サッカーにとっては良い日ではなかったと思う」と述べた。

「FFPは良いアイデアだと思う。チームや競技を保護するためにある。それが当初のアイデアだった。誰も金を使い過ぎないようにとね。適切なリソースに基づいて投資しなければいけない」

 さらにドイツ人は、「本当にFFPはとどめてほしい。少なくとも、どこまでいけて、どこから越えてはいけないかが分かる。サッカーにとって良いことだ」としたうえで、現状に懸念を示した。

「誰も何も気にしなくなりだしたら、リッチな人や国が、好き勝手にやれてしまう。それは本当に競技を難しくするよ。自動的に10クラブとかのワールドスーパーリーグへと導くことになると思う」

 また、モウリーニョは、「シティが有罪でなければ、罰金が科されるのは恥ずべきだ。有罪でないなら罰せられない。一方で、有罪なら処分されるべきだ。いずれにしても、ひどい裁決だ」と話した。

「私は、シティが有罪だと言っているんじゃない。有罪でないなら、払う必要はないと言っているんだ。有罪なら大会から除外されなければいけない。彼らが有罪かどうかは知る由もない。私が批判しているのは、この決定についてだ」

 稀代のカリスマ監督は、「FFPの終わりになると思う」と持論を述べたうえで、こう見解を続けた。

「(FFPは)無意味だからだ。今はシティのことを話しているが、過去にほかのクラブたちも同様の状況だった。そして結果は知ってのとおりだ。だったら、サーカスのドアを開けて、みんなをタダで楽しませるほうが良い。自由にやるのさ」

"同業者"たちの批判的な意見に対し、シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、「我々は謝罪されるべきだ」と主張した。

「間違えていたのなら受け入れる。だが、我々には、正しいことをしたと信じる時に自分たちを守る権利がある。サッカーにとって良い日だった。欧州の全クラブが同じFFPルールで戦ってきたのだからね。ウソをついてだましていたというが、推定無罪がなかった」

 そしてグアルディオラは、「このクラブはずっとピッチでベストを尽くそうとしてきた。この10年で我々がやってきたことは、ピッチで起きたことによる」と続けている。

「エリートクラブたちは、我々がここにいるのにふさわしいことを理解すべきだ」

 すでに様々な論争が展開されているスポーツ仲裁裁判所の裁決は、今後も大きな議論を生みそうだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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