ラツィオ、再開後6戦4敗と不振…。直近試合後には選手とスタッフが口論か「選手たちに犠牲を払ってくれと…」

2020年07月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

迫っていた王者ユーベとの差は広がるばかり…

極端な成績不振に陥っているラツィオ。選手たちも路頭に迷っている感が否めない。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスのパンデミックがなかったら、どうなっていたのか――。シーズン再開後、不振に陥っているラツィオに対して、そう思わずにはいられないファンは少なくないだろう

 今シーズンのセリエAで快進撃を見せたラツィオは中断前まで首位ユベントスを勝点1差で追う2位と好位置につけていた。再開後には直接対決も控えていたため、逆転優勝を期待する声も少なくなかった。

 だが、再開初戦でアタランタに逆転負けを喫したラツィオは苦しみながらも2連勝を飾った後のミラン戦で0-3と完敗。さらにレッチェ、そしてサッスオーロにも屈し、3連敗を喫した。

 再開されてからの6試合で4敗と不振に陥っているラツィオは、ユーベに勝点差を8ポイントへと広げられ、残り6試合での逆転は難しいとの見方が有力だ。

 成績が芳しくない原因のひとつとされているのが、コンディションだ。再開前から負傷者を出していたラツィオは、再開後も痛みを抱えながらプレーを続ける選手が後を絶たず……。過密日程の中で苦しいやり繰りを強いられている。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、シモーネ・インザーギ監督は、現地時間7月11日に開催されたサッスオーロ戦後に、先発出場したセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチと、途中出場したダニーロ・カタルディ、ルーカス・レイバが「フル出場できる状態ではなかった」と、苦肉の起用を続けていることを認めた。

「いつも同じ9、10人がピッチにいる。選手たちに犠牲を払ってくれとお願いしたんだ。だが、人数やローテーションに関していくつか問題があることは分かっている」
 
 指揮官も頭を抱えるチーム状況が続き、夢見ていた優勝の可能性が遠のいたことで、選手たちもナーバスになっているのかもしれない。複数メディアによると、守備の大黒柱フランチェスコ・アチェルビが試合後にメディカルスタッフ責任者と口論したという。

 その後、アチェルビはスタッフに連絡して和解。尾を引く心配はないようだ。『Corriere dello Sport』紙によると、クラブは「試合後にロッカールーム内でケンカと対立があったという報道について、クラブは断固として否定し、まったく根拠のないニュースだと強調する」と否定した。

 いずれにしても、ラツィオを取り巻く空気が良くないことは確かだ。インザーギ監督はコンディションの件で「それを言い訳にしてはいけない」とも述べている。

「それらのすべてにかかわらず、レッチェ戦とサッスオーロ戦は負けてはいけなかった」

 今シーズンのセリエAを沸かせてきたインザーギ率いるラツィオは、不振から脱して、堂々とシーズンを終えることができるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事