「本当に特別だ」「とてつもない喜びを…」名手カシージャスが語ったイニエスタが決めた“世界一決定弾”の凄み

2020年07月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

栄光の瞬間から10年――

スペインに初の世界制覇をもたらしたイニエスタのゴールについて、カシージャスが語った。 (C) Getty Images

 7月11日、スペイン・サッカー界は10年前に成し遂げた偉業に想いを馳せていた。2010年に南アフリカで達成した同国史上初となるワールドカップ優勝だ。

 グループリーグ初戦のスイス戦でいきなり黒星を喫したスペインだったが、そこから怒涛の5連勝で決勝へ進出。迎えたファイナルでは難敵オランダとスコアレスで延長戦にもつれ込む激闘を演じ、116分にアンドレス・イニエスタが値千金の決勝弾をねじ込んで、世界の頂に立ったのである。

 あの栄光の瞬間から10年もの月日が流れたが、当事者たちは鮮明な記憶として残っているようだ。当時のキャプテンで、絶対的な守護神として君臨したイケル・カシージャスは、スペイン紙『Marca』のインタビューで、ワールドカップ制覇について感慨深げに話している。

「僕らには自分たちがスペイン・サッカー界の歴史的時代の一部になったという意識があった。人々は街中で感謝を示してくれた。各々の出身がマドリード、バルセロナ、セビージャ、マラガ、バレンシアなのかに関係なくね。僕らは国を幸せにしたことに気付いたんだ」
 
 百戦錬磨の守護神にとっても、イニエスタが土壇場で決めた"ゴラッソ"は、忘れ難きものとなっているようだ。

「本当に特別だ。アンドレス(・イニエスタ)のゴールは全員のゴールでもあるからね。スペイン・サッカーが長年探し求めていたゴール(目標)さ。僕らは1992年バルセロナ五輪とEURO1964以外では成功したことがなかったサッカー国だったから、2010年のワールドカップはとてつもない喜びだったし、自分たちの名前を世界王者として刻めるのは特別なことだった。あのゴールはそれをもたらしてくれたんだ」

 18年夏のヴィッセル神戸入団以来、日本のサッカーファンに驚きと感動を提供しているイニエスタ。その存在は、スペインのレジェンドにとってもかけがえのないものとなっているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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