【ヴィッセル神戸の最新序列】ここ2戦欠場のフェルマーレンが鍵か。不在時は安定感のある4バックがファーストチョイス

2020年07月10日 白井邦彦

前線はドウグラスの1トップに2シャドーが基本形

神戸の最新序列。
②=2種登録

 2月の開幕から、コロナ禍での約4か月の中断期間を経てJ1リーグも7月4日から再開された。"第2の開幕"とも言える、第2節、3節の2試合を終え、チーム内でも変化が生じている。スタメン争いの構図や今後の台頭が予想される若手などを踏まえ、ヴィッセル神戸の最新チーム内序列を紹介していく。

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【FW】
 再開初戦の広島戦では2トップを採用したが手詰まりに。ドウグラスを1トップに置き、古橋亨梧や小川慶治朗、田中順也、藤本憲明らが2シャドーに入るのが今後の基本形になりそう。その場合、ドウグラスの控え候補が見つからない。順当なら藤本やルーキーの小田裕太郎が有力候補だが、2人ともドウグラスのようにポストプレーが得意なわけではない。

 その点ではフィジカルの強いMF佐々木大樹が控え候補に。2018年にはFWで起用され、得点も挙げている。今季は第2節の広島戦でベンチ入りしているだけに可能性は十分だ。

【MF】
 4バックシステムの場合、中盤はアンカーにセルジ・サンペールを置き、その前に山口蛍とアンドレス・イニエスタを配すトライアングルが基本陣形に。変化を与えたい場面では、トライアングルを崩さず、サンペールを郷家友太や安井拓也ら攻撃的な選手に変えて山口をアンカーへ。鳥栖戦では郷家の曖昧なポジショニングを相手が捉えられず、ワンタッチヒールパスで決勝点を呼び込む活躍も。

 再開後はまだ出番がないが、安井拓也も変化をつけられる選手。イニエスタを温存できる試合展開が来れば、強気なプレーが信条の中坂勇哉を使うのも面白そうだ。
 
【DF】
 ベルギー代表のトーマス・フェルマーレンがここ2試合を欠場。理由は不明だが、彼が欠場する場合は4バックシステムが無難な選択に。4バックはACL2試合やJ1リーグ2試合でも実用済みで、4試合3失点と守備面では3バックよりも安定感がある。鳥栖戦で今季初の無失点を記録したのも4バックだ。攻撃面では西大伍や酒井高徳を高い位置に上げられる3バックが魅力的だが、2試合6失点と不安定。ダンクレー、大﨑玲央、フェルマーレンの3枚が揃わない時は4バックが有効か。

 また、アップダウンの激しい両サイドバックを含め、守備陣はどうしてもケガが付き物。ベテラン渡部博文は別として、藤谷壮、初瀬亮、菊池流帆、山川哲史ら若手の台頭が待たれる。

【GK】
 再開後2試合でビッグセーブを連発している飯倉大樹は外せない。ビルドアップにも積極的に関わり、神戸のポゼッションサッカーを最後尾から支えているのは飯倉だ。バックアップの一番手は前川黛也だろう。J1開幕節の横浜FC戦でも先発し、わずか1失点と及第点の働きを見せた。とはいえ、フィードのミスがあったのも事実。さらなる成長が待たれる。

 3番手は吉丸絢梓だ。シュートストップはピカイチだが、ビルドアップ能力はやや劣る。長丁場で過密日程を考えると、伊藤元太、2種登録の高橋一平も含め、控え4人の成長がカギを握りそうだ。

取材・文●白井邦彦(フリーライター)
 
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