湘南、“風”を掴めず…アンラッキーな失点に「難しいゲームにした」「あの1点が悔やまれる」

2020年07月05日 隈元大吾

フラッグがはためくほどの強風「風には注意して入ったつもりだったが…」

リモートマッチで開催された仙台との再開マッチ。強風が吹き荒れる序盤の失点が痛かった。(C) J.EAGUE PHOTOS

[J1リーグ2節]湘南0-1仙台/7月4日(土)/BMWス

 J1リーグが中断して4カ月余り、湘南はホームに仙台を迎えて再開初戦に臨んだ。だが試合開始まもなく失点すると、その後ポゼッションを高めて盛り返すも最後までゴールネットを揺らせず、0-1で敗れた。

 スタンドに掲げられたフラッグがはためくほど、強く吹きつける風の影響は大きかったようだ。前半風下に立った湘南の浮嶋敏監督が振り返る。

「風には注意して試合に入ったつもりだったが、うまく試合に入れなかった。立ち上がりのアンラッキーな失点そのものではなく、それが結果として今日のゲームの決定要因になってしまった。先に失点しなければゲーム展開も変わっていたと思うし、立ち上がりで難しいゲームにしてしまったと思う」

 3分だった。仙台はジャーメイン良が右サイドで仕掛け、クロスを入れる。ボールは追い風に乗り、そのままゴールに吸い込まれた。

 不運な形で早々にビハインドを負った湘南はセカンドボールで後手を踏み、相手のプレッシャーもあってミスも散見された。それでも左サイドの鈴木冬一を中心にリズムを手繰り寄せ、幾度かフィニッシュまで持ち込むと、風上に立った後半はさらに攻勢を強め、茨田陽生や指宿洋史、大野和成ら途中出場の選手たちも攻守に強度をもたらした。だが最後まで仙台のブロックを崩すことはできず、浦和との開幕戦に続き2連敗となった。

 3ボランチの一角でフル出場した福田晃斗は、立ち上がりの失点の影響を同様に口にした。
「早い時間に先制されてしまい、時間が経つにつれて焦ってしまったところがあった。前半は向かい風だったので、割り切ってFWを目指し、セカンドボールを拾うといったことをみんなで合わせられれば良かったと思う。その後は自分たちのやりたいサッカーをある程度見せることができたし、あの1点がすごく悔やまれる」

 クロスを上げさせない、シュートを打たせないといった湘南らしい粘り強い守備もこの日は霞んで見えた。主将の岡本拓也は、「前半はセカンドボールを拾われ、球際で負けて押し込まれる展開だったと思う。そこで負けていては試合に勝てない」と厳しく振り返り、4日後に控える横浜戦に目を向けた。

「次はアウェーになりますが、もう1回修正すべきところを修正し、湘南らしく戦えるようにいい準備をしたい」

 随所に好機を演出し、ゴールにも迫っている。自分たちらしさを発揮してリーグ戦初勝利を掴みたい。

取材・文●隈元大吾(フリーライター)
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