JFAが女子W杯招致断念を発表…五輪延期の余波、ライバル候補巡る動向などを鑑みて決断

2020年06月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

五輪後、短期間で世界一を決める大会を同じ国で開催することに抵抗感

日本協会は、2023年の女子ワールドカップ開催の招致活動を断念した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 JFA(日本サッカー協会)は6月22日、都内のJFAハウスで臨時理事会を開催し、開催国として立候補していた2023年女子ワールドカップの招致活動から撤退することを発表した。2023年の同大会開催地は6月25日のFIFAカウンシル(理事会)で決定される予定だが、立候補国のひとつである日本は、これを待たずして招致活動からの撤退を決定した。

 田嶋会長は会見の中で「様々なプロセスを経ての決定。様々な情勢を鑑み、この選択となったのは致し方ない。招致委員会においてもみんなが残念で悔しい想いをするなかで、全会一致で決定した」と語った。

 日本にとって大きな逆風となったのは、新型コロナウイルスの影響によって東京五輪の1年延期となったことだ。女子サッカーでは、年齢制限を設けず世界一を決める公式国際大会としては女子ワールドカップと五輪のふたつがあるが、この両大会が2年のうちに同じ国で開催されることに抵抗感が生まれたという。

 また、6月8日にブラジル連盟が立候補を取り下げ、南米連盟の票が一本化されたこと(※南米ではコロンビアが立候補)、ASEANサッカー連盟が、共同開催で立候補するオーストラリア、ニュージーランドへの支持を表明するなど、他のライバル候補の動向も撤退する動機のひとつになったようだ。

 田嶋会長はまた、今回の決定について「これが女子サッカーの発展を妨げるとは思っていません」と語り、「逆に来年の東京オリンピックに本当に集中し、成功させ、そこでなでしこが活躍すること、そしてグラスルーツに我々も投資し、多くの少女たちがWEリーグの選手になることを夢見るような、そういう世界をしっかり作り、ワールドカップでもう一度優勝したい、そういう気持ちで臨んでいきたいと思います」と、今後への決意を語っている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事