J2金沢が打ち出したコロナ危機打開の一手! ふたつのプランに込められた思いとは?「みんなにプラスになることを…」

2020年06月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

『クラブ支援プラン』と『エア遠征プラン』

ゼネラルマネージャー・西川圭史氏(写真左)とホームタウン推進室長・灰田さち氏(写真右)。写真:村田 亘

 金沢のクラブ事務所は郊外にある。石川県西部緑地公園陸上競技場にほど近い住宅地。傍には金沢市民に憩いと潤いをもたらす犀川がゆったりと流れている。しかし一歩事務所に入れば、J2再開を間近に控えたスタッフたちが忙しそうに駆け回り、そこここで打ち合わせが行なわれていた。
 
「サポーターのみなさんに少しずつでも助けてもらいたいと思っていたが、我々以上に厳しいのは観光産業に携わるパートナー企業さん。いつも支えてくださっている方にも元気になってもらいたい、みんなにプラスになることを考えたいというのが原点だった」
 
 こう話すのは金沢のゼネラルマネージャーを務める西川圭史氏だ。鳥栖や新潟、大分などが段ボールサポーターを、広島がTシャツを発売し、鹿島がクラウドファンディングでの支援を呼びかけるなど、各クラブがさまざまな方法で新型コロナウイルスによる危機を乗り越えようとするなか、金沢が6月9日に発表したのは『クラブ支援プラン』と『エア遠征プラン』だった。この2つのプランに込めた思いを西川氏は上記のように語った。
 
『クラブ支援プラン』とは、金沢のホームサポーター向けの商品で、リモートマッチで段ボールサポーター(クラブは魂身サポーターと命名)を掲出するというもの。ただし新潟が1500円、大分が2000~7500円で販売しているのに対し、金沢は11000円。値段を見ても単なる段ボールサポーターとは性格を異にしていることがわかる。

 その証拠に『クラブ支援プラン』では魂身サポーターの掲出だけでなく、余剰分を「トップチーム運営」「試合運営」に役立ててほしいなど、購入者がその用途を指定できる。つまりは「どちらかというと寄付をしていただくという側面が強い」と西川氏は言う。
 
 そしてもう一つの『エア遠征プラン』は、ビジターサポーター向けに販売されたもの。値段は『クラブ支援プラン』と同じで、同様に魂身サポーターをビジターゴール裏に掲出する。ただしこちらのほうはそれに加え、金沢カレーや和洋菓子、海鮮・肉、工芸品といった石川県の特産品8種類のなかからひとつを選択すると、それが返礼品として送られてくるのだ。

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