「本当にイライラした…」「正直、邪魔」元イングランド代表GKが無観客での“疑似声援”に不満吐露!

2020年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

リーグで唯一不使用を決めたワケ

ワトフォードのゴールを守る守護神は、最新の音声技術の導入に反対した理由を正直に告白した。 (C) Getty Images

"サッカーの母国"に活況が帰ってくる。

 現地時間6月17日に開催されるアストン・ビラ対シェフィールド・ユナイテッドの一戦で、プレミアリーグが再開する。欧州屈指の人気を誇るリーグのリスタートには、約3か月も中断していただけに、全世界の注目が集まっている。

 そんなプレミアリーグは、感染防止の一環として無観客での開催を決定した一方で、少しでも試合に臨場感をもたらそうと、画期的なシステムの導入を決めた。業務提携を結んでいる『EAゲームス』社の人気サッカーゲーム『FIFA』で採用されている疑似音声をスタジアム内に流すというものだ。

 英紙『The Sun』によれば、音声の使用はホームチームの判断に委ねられており、流れるタイミングもボールがピッチ外に出るなどして、プレーが切れた際やハーフタイム、試合前のみに限定されるという。さらにファンからの声も飛ぶ設定となるなど、よりリアルな雰囲気を再現するために最新の技術を駆使されたものとなるようだ。

 すでに19チームが使用を決定しているなかで、リーグで唯一、不使用を決断したのが、ワトフォードだ。中断期間中に行なった2度の練習試合で、疑似音声をテストした結果、選手たちから不満が噴出したことから不使用を決めたという。
 
「本当に嫌だった」。露骨な嫌悪感を露わにしたのは、ワトフォードの守護神ベン・フォスターだ。

 かつてイングランド代表のゴールも守り、酸いも甘いも経験してきた37歳のベテランGKは、英紙『Mirror』のインタビューで、こう答えている。

「本当にイライラしたよ。音はボールが外に出た時など決まった場面でしか流れないし、急に流れ出して、正直言って邪魔だった。チームで話して、『こんなんなら要らない』って満場一致で話がついたよ」

 さらにフォスターは、練習中のエピソードを明かしている。

「練習試合で、コーチの1人が主審をやっていたんだけど、彼のレフェリングが最悪で、なかなかゲームが止まらなかったんだ。そしたら擬似音声から勝手に『主審はクソ野郎だ』ってチャントが流れ始めてね。そんな機能があるなんて誰も知らなかったから、コーチですら笑っていたよ」

 無観客での試合を少しでも盛り上げようと、最新技術を投入することを決めたプレミアリーグ。だが、その使用方法は、再考の余地があるのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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