「世界一の才能があれば十分と…」C・ロナウドが認めた“消えた逸材”が漏らした本音とは?

2020年05月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

チェルシーに移籍するも…

ポルトガルでC・ロナウド(左)以上の逸材とも評されていたのが、パイム(右)だ。 (C) Getty Images

 2002年にポルトガルの名門スポルティング・リスボンでデビューを飾って以来、瞬く間にスターダムを駆け上がったクリスチアーノ・ロナウド。その活躍ぶりは、もはや説明不要だろう。

 その世界屈指のクラッキがスーパースターに上りつめるキッカケとなったのが、2003年の夏のマンチェスター・ユナイテッド移籍だ。しかし、実はこのとき、C・ロナウドよりも高く評されていたアタッカーがポルトガルにはいた。ファビオ・パイムである。

 1988年生まれのパイムもスポルティングの下部組織者。C・ロナウドよりも3歳年下ながら、その才能はメガクラブから高く評価されていたという。

 他ならぬC・ロナウドもかつてパイムの実力を絶賛していた一人だ。英メディア『GIVE ME SPORT』によれば、「スカウトの人たちもパイムを見るまでは、僕が優れていると思うかもね」と関係者にこぼしていたという。

 まさに天賦の才を有していたパイムだが、大成することはなかった。07年にスポルティングでトップチームデビューを飾った後に、08年8月にはルイス・フェリペ・スコラーリ監督に乞われて期限付きながらチェルシーへ移籍するもチャンスに恵まれず……。その後は、マルタ、ルクセンブルク、アンゴラ、リトアニア、カタールなどマイナーなリーグを転々とした。
 
 さらにプライベートでのスキャンダルも絶えずに、昨年8月には12グラムのコカインを密売した疑いで逮捕され、刑務所に拘留された。最終的に証拠不十分で無罪となったものの、その落ちぶれたキャリアを物語るには、十分すぎるほどのニュースだった。

 誰もが惚れ惚れするほどの才能をなぜ活かせなかったのか。ブラジルに移住しているというパイムは、現地メディア『Globo Esporte』のインタビューで、本音を漏らしている。

「ロナウドが言ったことは俺の人生に大きな影響を与えた。だけど、今じゃ彼は別次元の人間で、俺とは比較になんかならない。ある時点で俺はロナウドと同じか、それ以上のクオリティーを持っていたけど、彼のような賢さや謙虚さを持っていなかったんだ。

 俺は間違いなく世界最高の実力を持っていた。けど、それ以外の人間性の部分で完璧になり切れなかったんだ。若い時は、『世界一のこの才能があれば十分だ』と思っていたけど、それだけでは通用しなかった」

 現在32歳のパイム。ついにその才能を開花されることなく、すでにプロキャリアに終止符を打ったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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