【名古屋】丸山祐市がU-15選手へ“特別アドバイス”。中学時代の苦い経験を引き合いにエール

2020年05月27日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「将来、名古屋を背負って立つ選手たちになにか還元をしたいと」

U-15の選手たちの質問に答えた丸山。有意義な交流となった。

 5月26日、J1・名古屋のキャプテン、丸山祐市が"特別ミーティング"として、Uー13~U-15の56選手とオンラインで交流した。

 5日前には同様の企画で、長谷川アーリアジャスールがU-18の選手と交流し、コロナ禍により練習を積めない学生たちに熱いメッセージを送ったが、丸山も"特別授業"さながらに、自身の経験をもとにアドバイスした。

 特別ミーティングを開いた経緯は「アーリアさんと話したわけじゃなかったんですが、なにかできないかとクラブに話していたタイミングが一緒でした。将来、名古屋を背負って立つ選手たちになにか還元をしたいという想いがあり、このような機会ができて良かったです」と話す。

 丸山は中学時代はFC東京U-15に所属したがユース(Uー18)に昇格することはできず。挫折を味わい、進学した國學院久我山高では、右膝の大怪我を経験。それでも勉学に励み、明治大に進み、古巣であるFC東京でプロへの道を開いた。だからこそ、今、物事が上手く進まなくても、すべては糧になると学生たちに助言を送った。


「中学の頃は明らかにレベルの差もありましたし、対格差がものをいう部分もありました。それでも僕は高校生で一気に20センチくらい伸びましたし、中学でそんなに伸びていたら試合に出られていたか分かりません。何がプラスになるかは分かりません。

 苦労は今となってはしていたなと感じます。僕はFC東京(U-15)の時はダメでしたし、この中にも僕と同じような境遇な選手はいたと思うので、そういった子たちも含めて、チームとして、U-15の選手としてもっと上手くなってほしい。僕の体験談を訊いてもらうことによって頑張ってもらえればと思います」
 またインターハイが中止になるなど、今後もアンダー世代の主要大会が開催されるか不透明な状況で、目標を立てにくい学生たちにもメッセージを送った。

「どう話したら良いか難しいですが、短期、中期、長期で目標を作ったほうが良いと思います。短期でいったら、これまではサッカーができることが当たり前でしたが、まずはサッカーを普段通りできることを目標にやってもらい、感謝の気持ちを持ちながらプレーして欲しいと思います。大会は今後、どういう流れになっていくか分かりまんが、Jリーグが再開したら、流れは変わるかもしれません。そうした時に備えて、今は目の前のできることをやって、努力を続けてもらいたいです」

 一方、U-15の鈴木陽人キャプテンは次のように丸山からのアドバイスに感謝の言葉を返した。

「僕たちと同じ中学年代の時には、『あまり試合に出る事ができず、あまりチャンスが回ってこない感じだった』と話されていましたが、それが努力を重ね日本代表やトップ選手へ這い上がっていった話は、とても印象に残りましたし、勇気づけられました。僕も焦らず日々の努力を積み重ねて近い将来、丸山選手と同じピッチでサッカーをしたいと思いました。

 また、僕は普段ミッドフィルダーをやる事が多いですが、CBをされている時に考えている事や思いを聞いて、改めて試合や練習時には自分の事だけを考えるのではなく、他のポジションの身になって声掛けやプレーを意識していきたと思いました。本日は、本当にありがとうございました」

 中学生たちにとっても実りの多い交流になったようだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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