「Jリーグの再開に一歩前進」コロナ会議で専門家が新たな提言!無観客試合は「流行時」から「当面の間」に変更

2020年05月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「一つの手段として受け入れていきたい」

再開に向け具体的な議論が始まるというJリーグ。(C)SOCCER DIGEST

 Jリーグと日本野球機構(NPB)は5月22日、共同で開催している「第8回新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施、その後にウェブ上で会見を行なった。

 会見では専門家委員会の座長を務める東北医科薬科大の賀来満夫特任教授が「バージョン2」というこれまで発表されていた提言をアップデートしたものを発表。そこでは、「感染防止を最大限に行なっていく」ことを前提としながらも、「第2波、再流行に注意しながら、経済活動の維持」の重要性も説いた。しかし、新型コロナウイルスは「発症の2日前、前後から感染性があることが分かってきた。引き続きマスクの徹底や手指洗いの徹底を行なっていくべき」と新しい知見も交えてその危険性も改めて呼びかけた。

 その一方で「状況が良くなっていることは事実」「野球の開幕。Jリーグの再開にも一歩進んできたのは間違いない」とし、「緊急事態宣言が全国で解除されることが前提」と残された北海道、首都圏の様子を見ながら、リーグ再開の可能性も示唆した。

 提言では「感染対策」「各自治体との協議」を行なった後、「選手などへの事前検査」を実施し、開催することが望ましいと説明。これまで「流行時」としていた無観客試合は「当面の間」に変更。観客を入れた状態で試合が開催された場合も、スタジアムの「ゾーニング」や観客の「トレーシング」を行なうことが望ましいとされている。
 
 これを受けて、Jリーグの村井満チェアマンは、「無観客試合は最後の手段とは申し上げている。しかし、今回の提言にあるように、一つの手段として受け入れていきたいと思う。これから再開に向けた本格的な議論を行なっていきたい」と表明。先日の理事会後会見で語っていた来週29日頃の発表を匂わせた。

 また、検査については「ドイツ等では全選手にPCR検査を行なっている。可能であるなら行なっていきたい。これまでは、国民に検査が行きわたる必要があるなか、我々だけが行なうのはいかがなのかという問題もあったが、専門家の先生方からのご意見も受け、検査の実現に向けて努力していきたいと思う」(村井チェアマン)とし、ゾーニングについても実施することを検討。「試合を見に来る方のコンタクト情報を取得する」というトレーシングも前向きに検討している。

 しかし、賀来先生は「56クラブと全国に多くのチームが存在しているJリーグでは、移動に際して今後もより細かい協議を行なっていく必要がある」と、コロナ対策を引き続き行なう必要性も告げている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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