「あなたは非常に恵まれた立場にいる」モウリーニョがベッカムに語った、現代サッカーの問題点とは?

2020年05月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

トッテナムのスタジアムを訪れたベッカム

サッカー人としての人生について語り合ったモウリーニョとベッカム。 (C)Getty Images

 元イングランド代表のデイビッド・ベッカムは、智将の目にどのように映ったのだろうか。

 現地時間5月20日、トッテナムの公式SNSアカウントで、ベッカム氏がジョゼ・モウリーニョ監督と語り合う動画の一部が公開された。

 動画では、ベッカム氏がスタジアムを訪れ、モウリーニョ監督が内部を案内しながらフットボールについて語り合っている。英紙『Mirror』は、智将が「あなたはとてもラッキーなひとだ」と語りかけている様子に注目し、詳細を報じた。

「モウリーニョは最新鋭の設備に触れ、スタジアムをガイドしながら、ベッカムについて『引退後も、非常に恵まれた立場のひと』であることを語り掛けた。『大多数の選手たちは、バック(ロッカールーム)で問題を抱えている。きっと彼らがキャリアを終えたときには、今とは全く違う状況になっているだろう』と。ベッカムはそれに頷き、現代のフットボールは様々なことが複雑になっているという点に同意した」

 さらに、モウリーニョは「あまりに複雑なことが多すぎて、サッカーの本質を忘れかけるときがある」と告白している。

「もし、選手たちがピッチ上でサッカーを楽しめていないとしたら、それが最も困ることだ。ただ、試合が始まれば、プレーヤーは豪華な施設もプレッシャーも忘れるだろう。だが、我々は戦術にこだわりすぎると、リアルを忘れてしまう。得点するためにボールを得ること、相手がボールを持っていてはゴールは得られない、というシンプルなこともね。そして観戦するファンも、基本的なこと、試合に対する情熱を失ってはけないと思う」

 ベッカムはこうした言葉に何度も頷き、智将の言葉を噛みしめた様子だ。同氏は今季、メジャーリーグサッカー(MLS)に参入したインテル・マイアミのオーナーを務めており、動画の終わりで「トッテナムの先進的なアプローチについて学ぶことができた」と語っている。

「私がプレーヤーだったころから、試合には多くのサイエンスが持ち込まれ、新しい考え方も生まれている。けれど、しっかりとした日々の努力や、睡眠の充実など、シンプルなことが本当に大切であるということは明らかだ」

 プレーヤーからクラブのオーナーへ。立場を変えてフットボールに取り組むベッカムにとって、モウリーニョ監督との対話は実りのあるものだったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事