【コッパ・イタリア】本田が強行出場するもラツィオに敗北…インザーギ体制の運命は!?

2015年01月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

策、強さ、スターだけでなく、秩序も自信も失われてしまい…。

みすみす敵にPKをプレゼントしてしまったミラン。勝敗を決したこのゴールが、インザーギ体制にも引導を渡すことになるのか……。 (C) Getty Images

 コッパ・イタリア準々決勝は奇しくもミランにとって、先週土曜日にセリエAで完敗(1-3)を喫したラツィオとのリマッチとなった。
 
 今年に入って不振を極めるミランは、フィリッポ・インザーギの監督生命が風前の灯といわれ、またアジアカップを終えたばかりの本田圭佑が強行するという噂もあって注目を集めてはいたが、会場サン・シーロのスタンドは空席だらけという寂しいものだった。
 
 メンバー入りした本田は、ベンチでキックオフの笛を聞いた。そして試合は、ホームのミランがボールポゼッションでは上回るも、プレーの効果ではラツィオが上だった。
 
 ピッチを広く使い、パスをつなげるアウェーチームに対し、ミランは相変わらず守備が不安定で、幾度か致命的なミスを犯すも、シュートミスとGKクリスティアン・アッビアーティの果敢な飛び出しなどで、何とか失点を免れていた。
 
 守備に人数をかけても個々の反応が遅く、常に後手に回る状況で、結局は最終ラインで何とかクリアするという光景は、この試合でも変わりはなかった。
 
 一方の攻撃は、今冬加入したアレッシオ・チェルチが、これまでよりは積極的な動きを見せ、ドリブル突破やシュート、そしてチャンスメイクにも関わったが、全体的には要所をラツィオに抑えられ、これを崩すアイデアにも欠けていた。
 
 そして36分、ラツィオのFKからミラン・ゴール前にボールが上がると、ミランDF陣が3人で交錯してしまい、ミケランジェロ・アルベルタッツィの腕にボールが当たってしまう。ラツィオの選手が絡んでいない状態で、ミランはみすみすPKを敵に与えてしまい、これをルーカス・ビグリアに決められた。
 
 しかし44分、ラツィオはジェレミー・メネーズに後方から激しくチャージを仕掛けたロリク・サナが2度目の警告で退場。ミランは数的優位を得て後半に臨めるというアドバンテージを得た。
 
 後半開始5分後、ミランはサリー・ムンタリに変えて本田を投入。相手がひとり少なく、スペースも広くなったことから、ミランはスピーディーにラツィオ陣内に攻め入る。本田はワンタッチでボールをつなぐなど、無駄のないプレーを見せた。
 
 イグナツィオ・アバーテとの連係は相変わらず悪くなく、自身も複数回シュートを放つなど積極的に攻撃に絡み、もちろん守備でも自陣深くに戻る献身的な動きを見せた本田。しかし、ゴールをもたらす決定的な仕事は残念ながら果たせなかった。
 
 後半はほとんどの時間帯でボールを所持したミラン。加入したばかりのスソをも投入してラツィオゴールをこじ開けようとし、2度ゴールネットを揺らしたものの、いずれもオフサイドと判定され、ついに追いつくことはできなかった。
 
 絶対に負けられない試合で、続けてラツィオの軍門に下ったミラン。この試合、選手個々はこれまでよりもハードワークを見せてはいたものの、残念ながら組織としてはレベルの高いものではなかった。
 
 攻撃はもちろん、守備でもまともな組織を構築されていない状態で、トップレベルと対決するのは不可能だ。以前、「策なし、強さなし、スターなし」と現在のミランを表現したが、このチームにはさらに、秩序と自信も失われてしまっている。
 
 首脳陣はすでにインザーギ体制の継続を決定したとも報じられているが、果たしてその寿命はいつまで続くだろうか。
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