現役引退を発表した元イタリア代表マトリの“後悔”とは?「ユーベが惚れた女性なら、ミランは…」

2020年05月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

ミランでは本田圭佑ともプレー

大小のクラブを渡り歩いたマトリ。最後にプレーしたのはブレッシャだった。(C) Getty Images

 5月6日、元イタリア代表FWのアレッサンドロ・マトリが現役引退を発表した。

 35歳のマトリはミランのユース出身。下積みを経てカリアリで頭角を現わし、ユベントスやミラン、フィオレンティーナ、ラツィオといったイタリアを代表するクラブでプレーした。サッスオーロからブレッシャにレンタル移籍した今シーズンは、8試合の出場に終わり、シーズン途中の1月に保有元との契約を解消してフリーとなっていた。

 マトリはイタリア衛星放送『Sky Sport』で、「夢は叶えたと言える。これほどのキャリアを送り、3つのスクデットを獲得できるとは思っていなかった。文句は言えない」と話している。

「でも、もう引退だ。ブレッシャでの半年で決断した。少しモチベーションを失ってしまったんだ。ピッチで良い答えを出せなかった。必要なことができない場所にいる性格じゃない。フリーになってから、届いたオファーは少しだけだった。そしてどれも納得できなかった。醜態をさらすことを避けたかったんだ。現役生活が恋しくなるだろうけどね」

 フリーになってから一時期、マトリはシルビオ・ベルルスコーニのクラブ、セリエCのモンツァでトレーニングした。指揮を執るのは友人のクリスティアン・ブロッキだ。

 だが、「モンツァには素晴らしいFWが6人もいるんだ。それに明確なプロジェクトがある」と、そこででプレーするのは難しかったと明かしている。

「彼らは若手を大事にし続けなければいけない。何度かゴールのチャンスをミスして、クリスティアンとの友情を壊したくなかったのさ(笑)」
 
 後悔のひとつが、ユース時代を過ごしたミランのトップチームで活躍できなかったことだ。2013年にユーベから移籍したが、わずか半年で再び去っている。本田圭佑が加入してすぐのことだ。

「ユーベが惚れた女性だとしたら、ミランのことはずっと母親だと思っていた」と述べた。

「あの半年は残念だった。ユベントス時代のチャンピオンズ・リーグ決勝と並んで、やり直したいと思っているんだ。自分の価値を示せなかった。責任を感じすぎたのかもしれない。サン・シーロの重圧に耐えられなかった。再び(ミランを)去ったのはつらかった」

 マトリが活躍していれば、いわゆる「背番号9の呪い」が騒がれることもなかったかもしれない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
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