「ファウルをされても目をつぶれ…」元マンUコーチが激白! ファーガソンのC・ロナウド“改造計画”とは?

2020年05月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

C・ロナウドにあった「欠点」とは?

まだ粗削りなプレーが目立っていたC・ロナウド(手前)にファーガソン(奥)が施した作戦とは? (C) Getty Images

 今や世界最高のフットボーラーの一人と称されるクリスチアーノ・ロナウド。そんな彼もプロキャリアをスタートさせた当初は、才能のある若手の一人に過ぎなかった。

 まだ18歳だった2003年の夏にアレックス・ファーガソン(当時のマンチェスター・ユナイテッドの監督)の熱烈な勧誘を受け、スポルティング・リスボンから"レッドデビルズ(ユナイテッドの愛称)"の一員となったC・ロナウド。だが、当時は感情の起伏が激しく、プレーの波が悪目立ちした。

 そんな粗削りなヤングスターを改良するために名将ファーガソンは、"荒療治"を施したという。その事実を証言したのは、ユナイテッドでGKコーチを務めていたトニー・コットンだ。彼は英紙『Daily Mail』のコラムにおいて、次のように綴っている。

「ファーガソンが2003年にロナウドと契約した際に、クラブの伝統だった7番を手渡し、まだ子どもだった彼への期待感を周囲に示した。だが、ロナウドには一つだけ欠点があった。それはタックルを受けるたびにまるでぼろ人形のように倒れる癖だ。

 そこでファーガソンはロナウドを改造する計画に着手した。我々コーチングスタッフに、紅白戦やミニゲームでロナウドがファウルをされても目をつぶるように指示したんだよ」

 当時のチームにはロイ・キーンやリオ・ファーディナンド、ガリー・ネビルをはじめとする屈強な守備者が揃っており、実際、C・ロナウドは「かなりのハードマークを受けた」。それでもコットンらコーチ陣は"御大"の指示を忠実に守った。そして、次第にポルトガル代表FWにも変化が見えてきたという。
 

「ユナイテッドはミニゲームでもかなりタフなんだ。笑えないぐらいにハードな時もある。だからまだやせていたロナウドは、どれだけ当たられてもファウルにならないことに苛立ち、ポルトガル語で不満を垂れていた。

 そんな彼をキーンやファーディナンドはすぐに軟弱だと見透かし、敢えてハードにマークするようになっていた。それはある意味で厳しい愛だった。

 だけど、ファーガソンや我々のメッセージをロナウドは汲み取って、ゆっくりと、でも確実に強くなっていった。そしてユナイテッドの伝説の7番になったんだよ」

 今ではサッカー界のあらゆるDFたちでさえも、太刀打ちできないほどのタフさを手に入れたC・ロナウド。その強さの根源は、ファーガソンの"改造計画"にあったと言えるだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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