「ナイトクラブにも行っていいから…」フランスの元10番が明かした智将サンパオリの“忘れられない言葉”とは?

2020年05月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

ドーピング問題があった時でさえも…

セビージャで師弟関係にあったサンパオリとの思い出をナスリが語った。(C) Getty Images

 1987年に生まれ、フランスの将来を嘱望された「華の87年組」。カリム・ベンゼマ、アテム・ベン・アルファ、ジェレミー・メネーズら錚々たる面子が居並ぶ"最強世代"の中でも、ひと際輝いていたのが、サミール・ナスリだ。

 彼らが世界から注目されるようになった2004年のU-17欧州選手権で10番を背負い、ヨーロッパ制覇に貢献したナスリ。彼には、ある監督からかけられた忘れられない言葉があるようだ。

 現地時間5月5日にナスリは自身のインスタグラムのライブ配信で、ホルヘ・サンパオリの指揮下でプレーしたセビージャ時代を振り返った。フランスの天才MFいわくアルゼンチン人の智将は、「クレイジーだった」という。

「あのとき、サンパオリは俺を強く欲してくれた。こう言われたよ。『私たちのところに来てほしい。酒も飲めるし、ナイトクラブにも行かせる。君のやりたいことは何でもできる。それに、私は君をクラブから守る。週末のピッチで君に活躍してほしいだけなんだ』とね。家に来て、俺の犬を見たいとまで言ってきたぐらいだ。セビージャに行かない理由はなかったね」

 だが、ナスリのセビージャでのキャリアは短命に終わる。
 
 ナスリがアメリカで治療を受けた際に打たれたビタミンを主原料とした栄養剤が、世界アンチドーピング機構が掲げる許容範囲(6時間あたりで50ミリリットル)を超えていたために違反とされ、欧州サッカー連盟から約6か月の出場停止処分を言い渡されたのだ。

 その後、2017年の夏にチームを去ったナスリ。彼は騒動を「ロサンゼルスでのことがセビージャでのシーズンを台無しにした」と振り返りつつ、チームに留意してくれたサンパオリへの想いを口にした。

「あの事件で、俺のキャリアは完全に壊された。もうプレーする気持ちを失ってしまったんだ。サンパオリには俺をチームから外すように求めたよ。でも、彼はプレーしてほしいと言ってくれた。あれは忘れられないね。俺は迷った。不安と苛立ちで狂いそうになったけど、あそこでプレーすることはやめてしまったんだ」

 現在はベルギーの強豪アンデルレヒトに在籍しているナスリ。32歳となったフランスの天才MFは、これからどのような人生を歩むのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事