「ドライバーが不足していて…」モイーズ監督がなんと八百屋で4日間の配達ボランティアを志願!

2020年04月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

ロックダウン下の東ロンドンで地元住民のために

まさか住民もウェストハムの監督が野菜を配達しているなど、夢にも思わなかっただろう。(C)Getty Images

 ウェストハム・ユナイテッドのデイビッド・モイーズ監督がクラブの公式サイトに登場し、ボランティア活動に従事していた事実を明かした。

 新型コロナウイルスの脅威が深刻な英国は、現在も厳しいロックダウン統制下にある。そんななか56歳の指揮官は、自宅の近所にある八百屋が商品を配達するドライバーを探していると聞きつけ、クラブの了承を得たうえでみずから買って出たという。

「自宅待機が始まってまもない時期だったね。野菜と果物を取り扱っているショップがドライバー不足で困っているというんで、手伝わせてもらったんだ。4日間だったな。周辺の住民宅をひとつずつ訪ねて、玄関の前に品物を置いて回るだけなんだけど、どこかで楽しんでいる自分がいたよ」

 決済はもっぱら事前にオンラインで行なわれていたが、お年寄りの客のなかには支払いを済ませていないひともいた。モイーズ監督はショップ店員に「集金もお願いできますか?」と頼まれ、快く請け負ったという。

「ひとりの年配女性は、16.8ポンド(約2270円)で20ポンド(約2700円)をくれた。で、お釣りを渡そうとしたら、『いいから取っておきなさい』と言うんだ。なんと私はチップをもらったんだよ! だから別の女性客で少しお金が足りなかったとき、おまけしてあげたんだ。そういうやり取りもあったね」

 しかしそこは、地元・東ロンドンで絶大な人気を誇るウェストハムの監督である。誰にもバレなかったのだろうか。

「自分でも意外なんだけど、ほとんどのひとが気づかなかった。年配の方が多かったからかもしれない。とあるカップルが半信半疑な感じで『デイビッド・モイーズさん?』と尋ねてきたので、正直に事実を話したら、すごく驚いていたね」

 
 イングランド・プレミアリーグはいまだ具体的な再開プランが定まっていない。モイーズ監督は「悩みは尽きない。もし集中開催をするなら、対戦相手の分析は相当に大変だろう。プレミアリーグはハイレベルな戦いの舞台だからね」と心情を吐露し、「選手個々の管理も大変だ。最適なメニューを日々、フィジカルコーチと話しながら考えているよ」と苦悩ぶりを明かした。

 そして最後は「次にほかの仕事をするなら、野菜と果物のデリバリーだろうね」とジョークを交えながら、「一日も早くフットボールが日常を取り戻せるよう、いまは祈るしかない」と言葉を紡いだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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