「なんで俺らが招集されない?」「依怙贔屓だらけ…」“華の87年組”ナスリ、デシャンのフランス代表に怒り!

2020年04月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

現代表を「気に食わない」と…

フランスの未来を背負うと期待されたナスリ(11番)だったが、ベンゼマ(左奥)と同様にデシャン監督からは重用されなかった。 (C) Getty Images

 今から16年前、フランスには将来を嘱望された世代があった。カリム・ベンゼマ、サミール・ナスリ、アテム・ベン・アルファ、ジェレミー・メネーズらを筆頭に1987年に生まれた彼らは「華の87年組」と呼ばれた。

 2004年のU-17欧州選手権を制したことで、レ・ブルー(フランス代表の愛称)の未来を担う存在と国民に期待され、他国から疎まれもしたが、代表では期待に見合う活躍はできなかった。

 むしろ、"問題児"としてイメージのほうが先行している。唯一それなりの結果を残したベンゼマにしても、15年にマシュー・ヴァルビュエナへのセックステープを使った恐喝事件により事実上代表から追放されてしまった。

 だが、当事者である彼らにも現状には少なからず不満があるようだ。前述のU-17欧州選手権で「10番」を背負っていたナスリは、現地時間4月21日に自身のインスタグラムのライブ配信で、18年の夏にロシアで世界王者となった現代表に意見した。

「18年のワールドカップ優勝は素直に嬉しかった。そこでプレーしていた友人もいたからね。でも、何か物足りないよ。クラックがいないんだ」
 
 さらに「デシャンは異なる3つのチームを作り上げたけど、俺は気に食わない」と語ったナスリは、マンチェスター・シティ時代に師事した名将の名前を引き合いに出し、自分たち世代が重用されなかったことへの嘆きを口にした。

「今のフランス代表をジョゼップ・グアルディオラが率いたら、どうなるか分かるよ。きっと、いま以上に選手たちはエンジョイできるようになるよ。夢は膨らむばかりだ。

 なぜ、俺らが招集されないんだ? そもそもベンゼマが16年のEUROと18年のワールドカップに出られなかったのか理解できないし、なんで俺が14年のワールドカップに出られなかったのかが理解できない。ベン・アルファもそうだ。ニースで絶好調だったのに、なぜ16年のEUROから外されたんだ? 全く理解できない」

 ヒートアップしたナスリは、「選考は監督次第さ。『L'Equipe(フランスの全国紙)』に書いてあるようなことをそのままやる監督も多い。つまり依怙贔屓だらけなんだよ」とこき下ろし、最後にこう言い放った。

「選手選考の基準は完全に変わった。今までは何よりもクラブでのプレーがよくなければいけなかった。けど、今はもはやそうではなくなったんだよ」

 32歳となったナスリは現在、ベルギーのアンデルレヒトでプレーしている。18年にドーピング違反が明るみになって6か月の出場停止処分を受けて以来、すっかりキャリアが衰退してしまった。もはやレ・ブルーのユニホームに袖を通す日は訪れないないだろう。

 個性よりも規律を重んじるデシャン監督が長期政権を築いたのが、"最強世代"にとっては不運だったのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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