「僕は頑固すぎた…」ファン・ハールからの“冷酷すぎるクビ宣告”。その時、オランイェのエースは?

2020年04月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

同胞指揮官からの戦力外通告

オランダ代表でも苦楽を共にしたファン・ハール(右)からの非情な宣告にファン・ペルシ(左)は何を思ったのか? (C) Getty Images

 その時は突然訪れた。

 2012年の夏にアーセナルから電撃移籍を果たして以来、まさしくエース級の働きを見せていたロビン・ファン・ペルシは、2015年7月にトルコのフェネルバフチェにわずか380万ポンド(5億3200万円)で売却されたのだ。

 チームが過渡期にあったとはいえ、在籍3年の公式戦105試合で58ゴールをマークするなど、主軸を担っていたファン・ペルシはなぜユナイテッドを追い出されたのか? その時の舞台裏を本人が『High Performance』のポッドキャストで明かした。

「僕は代表でも、クラブチームでも、最高のシーズンを送っていた。でも、14年の夏に始まったファン・ハール監督の最初のシーズンは決して良くなかった。そして、最初のオフに彼は僕にこう言ったんだ。『いいかい、ロビン。私は監督で、君は選手だ。だから君は出て行かなければならない。ここでの君の時間は終わった』とね。冷酷だったよ」
 

 突然の戦力外通告に驚きを隠せないファン・ペルシだったが、それでも「契約が残っているよ」と主張した。だが、ファン・ハールには「関係ない。どうでもいい」と突き返されたという。

「何かあるかもしれないと予期していたが、あんなに冷酷なものとは思わなかった。彼の言い方もね。あんなことを言われたら、多くのことが頭をよぎる。『まだ契約があるし、家族も幸せだ。自分もイングランドで11年やってきた。ここでの暮らしが大好きだ。この後どうなる?子供たちは学校に通っているし、友達もいる』。一瞬でそういったことが頭を駆け巡った。

 これにどう反応するか? 僕は『OK、どうなるか見てみましょう。それはあなたの考えですが、私には契約がある。それに、イングランドとユナイテッドで幸せです。家族も。様子を見ましょう』と言った。そして、握手をして立ち上がったよ」

 しかし、ファン・ハールは、夏のプレシーズンマッチどころか、紅白戦にも出場させず、頑として考えを改めようとしなかったため、ファン・ペルシはクラブを去った。

「できるだけ冷静さを保とうとしたよ。でも、あの時点で僕の取り巻きではない人間と話す方が良かったのかもしれない。僕はあまりに頑固すぎたんだ……」

 構想外を告げられた時点で潔くユナイテッドを去るべきだった――。当時の判断をいまでも後悔しているようだった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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