「優れたサッカー脳を持ってる」デンマークの悪童FWに“意外な素質”!? 北欧屈指の名将が監督転向に太鼓判!

2020年04月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

本人も監督転向に前向き?

ヴェンゲル監督(右)らの薫陶を受けたベントナー(左)が語った壮大な夢が話題となっている。 (C) Getty Images

「僕の夢の一つは監督になることだ。これは本当だ」

 リアリティショー番組『Bendtner and Philine』で、そう高らかに宣言したのは、他でもない番組の主役、元デンマーク代表FWのニクラス・ベントナーだ。

 先述のコメントはキャリアの晩年を迎えつつある選手らしい発言といえるが、彼がこれまでに見せてきた破天荒な振る舞いを思えば、多少の違和感を覚えた人も少なくないかもしれない。

 2005年にアーセナルでプロとしての人生をスタートさせた逸材だったが、遅刻や乱闘などの数々の問題行動を起こし、そのキャリアはどちらかと言えば、ピッチ外で話題を集める機会のほうが多かった。

 まだ17歳だったデビュー間もない時代には、当時アーセナルの大エースだったティエリ・アンリに向かって練習中に、「黙るのはお前だ!」と言い放って騒動を起こしたこともある。そんな"悪童"が指導者への憧れを口にしたのは意外とも言える。

 しかし、ベントナーには、アーセナルでアーセン・ヴェンゲル、ユベントスでアントニオ・コンテ、ヴォルフスブルクでディーター・ヘッキングという名立たる智将から薫陶を受けてきた経験がある。

 さらに、彼のサッカーIQが高いと太鼓判を押す人物がいる。ノルウェー人監督のストーレ・ソルバッケンだ。
 
 2010年にはコペンハーゲンをデンマークのクラブ史上初となるチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント進出に導いた北欧屈指の名将は、昨年9月から約3か月間に渡って指導したベントナーについて、デンマークの全国紙『Ekstra Bladet』の取材で、こう語った。

「正直、彼が監督なるのかなんて考えたことがない。ただ、ニクラスには優れたサッカー脳がある。それは間違いない。さらに、様々な国のクラブでの経験もある。戦術眼に関しては言うまでもないと思う。もしも、彼にやり遂げる意志があり、チームを尊重するようなひたむきさがあるなら、必ず成功すると思う」

 さらに「彼のキャリアにおける騒動なんて、監督になるうえでテーマになる必要はない」と続けているソルバッケン。そんな名将から資質をお墨付きをもらったベントナーは、現在は無所属ながら、引退は宣言していない。番組内では自身の将来について、次のように言い残している。

「指導者の道に進みたいから講習も受けるつもりだ。40歳か45歳になる前には、最初のクラブを率いたいと考えているよ」

 現在32歳となった悪童が、宣言通りに指揮を執る日が訪れるのか。今後も目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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