Jリーグでも勢力拡大中&吉田麻也やエリクセンらも担当! 超大手エージェンシー『ベースサッカー』とは?

2020年04月07日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

日本の若手にも積極的にアプローチ

吉田(左)も所属するエージェンシー『ベースサッカー』の中心人物がトリンボリ(右)だ。写真:Instagramより

 英国人のフランク・トリンボリが共同創始者である『ベースサッカー』は、ヨーロッパ、南米、北米、アジア、オーストラリアに計11拠点を構え、60人近いエージェントと300人を超える顧客を擁するサッカー界でも最大手事務所のひとつだ。

 とくにイングランドでは、全体の半数以上のディールに何らかの形で関与するほど権力が強い。なかでもトリンボリはマネージングディレクターを務める中心人物で、昨年末にカルロ・アンチェロッティのエバートン行きを仕切ったのも彼だった。

 元税理士のため経済的な側面に強く、移籍収支をプラスにする必要があるクラブに的確な選手を売り込んだり売却を持ちかけたりして、すでにでき上がった「完パケ」のディールを提案できるため、多くのクラブに重宝されている。

 ベースサッカーはロンドン本拠ゆえデリ・アリ、ジェームズ・マディソン、カイル・ウォーカー、ダニー・ローズら顧客はプレミアリーグ中心だが、スペイン、イタリア、フランスにも勢力を拡大中。今冬のメルカートでも、クリスティアン・エリクセンとアシュリー・ヤングをインテルに、吉田麻也をサンプドリアに動かしている。
 
 同社は2010年代前半から日本でも活動しており、吉田、酒井宏樹、武藤嘉紀、シュミット・ダニエルなど日本代表クラスのほか、近年は齊藤未月、田川亨介、安藤瑞季など五輪代表世代にも積極的にアプローチして顧客に加え、アンジェ・ポステコグルー監督を横浜F・マリノスに送り込むなど、Jリーグでも勢力を拡大中だ。この日本での活動はFIFA公認仲介人の富永雄輔氏が担っている。

 ベースサッカーは会社としては、ハリウッド4大エージェンシーのひとつである『クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)』の傘下『CAAスポーツ』に買収されたが、移籍オペレーションはトリンボリをはじめとする創始者が引き続き担当。資金面でさらに強化されたため、より積極的に動けるようになっている。今夏もプレミアリーグ勢、そして日本人プレーヤーの動向の鍵を握るエージェンシーだ。

●主な顧客(仲介を含む)
クリスティアン・エリクセン(インテル)
デリ・アリ(トッテナム)
アシュリー・ヤング(インテル)
ジェームズ・マディソン(レスター)
カイル・ウォーカー(マンチェスター・C)
カルロ・アンチェロッティ(エバートン監督)
吉田麻也(サンプドリア)
酒井宏樹(マルセイユ)
 
文:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年3月19日号より転載
 
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