「このままでは誰も見なくなる…」物議を醸すテベスの男気発言に“神様”マラドーナがついに意見!

2020年04月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

苦言が集まるテベスの発言とは?

同胞たちに団結を呼び掛けたのは、アルゼンチン・サッカー界のレジェンド、マラドーナだった。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスの影響で経済活動が大打撃を受け、サッカー界で支援に向けた動きが強まるなか、アルゼンチンではスターの放った言葉が物議を醸している。発信者は、国内屈指の名門ボカ・ジュニオルスに所属するカルロス・テベスだ。

 自宅待機やロックダウンを強いる国が少なくない中で、生きるために外出をせざるを得ない人々を想ったテベスは、「俺たちのようなサッカー選手は、たとえ無給となったとしても半年、あるいは1年は生活することができる」とプロフットボーラーによる支援を呼びかけた。

 幼少期にブエノスアイレスの貧民街『フエルテ・アパッチェ』で育ったスターらしい"男気"発言だったが、これに思わぬ反論が飛んだ。満足にサラリーを支給されていない下部リーグの選手たちが「全ての選手が6か月も給料なしで暮らせるわけじゃない。俺たちは2か月も無報酬だ」と国内サッカー界の"暗部"を晒し、異議を唱えたのである。

「個人的に多くの人たちの手助けをしたいんだ」とも語っていたテベスだけに、全選手に無理強いをさせるという意味ではなかっただろう。しかし、思わぬ形で波紋を広げてしまったことには胸を痛めているかもしれない。

 この国内サッカー界を取り巻く暗い現状に重い腰を上げた男がいる。他でもないディエゴ・マラドーナである。

 アルゼンチンでは"神"と崇められるカリスマは、国内の有力紙『Ole』で、こう持論を展開している。

「1か月以上も給料を貰えていない選手がいる。それは事実だ。彼らにはクラブがしっかりと支払いをしなければならない。クラブも方法を探している。みんなの助けを借りてでも、集金しなければいけないんだ」
 

 アルゼンチン代表を指揮した際の"愛弟子"テベスに異議を唱えた選手たちの意見に耳を傾けたマラドーナ。だがその一方で、貰った給料をあっさりと散財している選手たちがいることも指摘している。

「愚かに遊びほうけて、金を失い、この瞬間も支援に加わろうとしないめちゃくちゃな奴もいる。だが、大半の選手たちは食べるために貯金をしなければならずに言い訳をせざるを得ないんだ。

 選手一人ひとりが動かなければならない。フットボール界は我々が動かす。さもなければ、それは誰も乗っていないメリーゴーランドのようなもので、ついには誰も見なくなり、多くの子どもたちの夢を失くしてしまう。今ならまだ、彼らは我々クラブを見てくれている」

 最後に「今が立ち上がる時だ。クラブが給料を保証できるようにするためにもね」と呼び掛けたマラドーナ。この"神"の一言でアルゼンチン・サッカー界は連帯感を示すことができるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事