「スペインよりも制御されている…」セレッソ大阪の智将ロティーナ、新型コロナにも動じない日本人を称賛!

2020年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

悪化する母国スペインの状況を危惧

日本における新型コロナウイルスの影響についてセレッソ大阪を率いるロティーナが語った。 (C) SOCCER DIGEST

 世界中で新型コロナウイルスによる影響が深刻化し、各国で様々な混乱も生じている。

 この日本でも依然として収束に向かう気配が見えないなか、Jリーグも4月3日の再開を目指していたものの、3月25日には再び延期が決定。J1はゴールデンウィーク明けの5月9日の再開を見込んでいる。

 そうした状況下で、日本人の振る舞いを称えたのが、セレッソ大阪を率いる智将アンヘル・ロティーナだ。

 かつてラ・リーガでも辣腕を振るった経験を持つ62歳のスペイン人指揮官は、ガリシアの地元紙『El Ideal Gallego』のインタビューで、日本での新型コロナウイルスの現状について、「ここは比較的にマシな方だと思う」と明かした。

「私のチームは、カップ戦とリーグ戦をそれぞれ1回だけプレーしただけだが、無観客で親善試合もやれた。1週間前に学校が閉鎖されたが、レストランやショッピングモールなどの施設は開いているし、リーグの再開を待つしかない状況だ。スペインよりも制御されているし、感染のレベルは懸念されているが、論理的にはそれほど上昇していない」

 さらに同紙から「中国からほど近いのに興味深い状況だ」と尋ねられたロティーナは、日本の文化を交えつつ、こう切り返している。

「それは私もそう思う。日本は中国人にとっても観光スポットであるからね。ただ、彼ら(日本人)は、とても注意深く行動しているんだよ。仮にそうなったとしても、同僚に感染しないように1週間の自宅隔離は徹底している。

 それと誰かに会うとき、人々は手を握ったりハグしたりはせず、頭を下げて挨拶をかわすんだ。だから接触が少ない。さらにマスクが頻繁に使用される。とにかく慎重に行動しているんだ。実際、我々が試合に行く時もクラブのメディカルから最低一つは手渡されたよ」

 また、母国スペインでは、感染状況が日々刻々と悪化しており、ロティーナもそのことを危惧している。同インタビューで、次のようにメッセージを送った。

「私はバスクに家族全員がいる。ビルバオとログローニョに息子が住んでいる。スペインでは感染者が増えており、とくに年配の人々については心配だ。私はベニート・フアネット(元スペイン代表GK、新型コロナウイルスにより22日に死去)のことを聞いたばかりだ。とても残念に思う。病院で孤独に亡くなるのは家族にとっても悲しいことだ……。

 リーガの中断? 何よりもまずはウイルスの流行を止めることだけが重要で、当然の判断だと言える。サッカーは二次的なものなんだ。問題を解決してから、それから人々の仕事を維持することを考えるべきだからね」

 日本にやってきておよそ3年。そんなロティーナにとっても、世界が未曽有の危機に瀕するなかで、至って冷静に行動をしている日本人は称賛に値したようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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