「僕らはウイルスを軽視しすぎた…」アタランタの知性派MFがイタリアの“コロナ禍”に戦々恐々

2020年03月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ベルガモはゴーストタウンのようになってしまった」

好調のアタランタを支えていたゴゼンス。イタリアのコロナウイルスの感染状況に本音を漏らした。 (C) Getty Images

 今、世界中で様々な問題を引き起こしている新型コロナウイルス。世界保健機関(WHO)が、パンデミックを宣言するなど、猛威を振るい続けている。

 そんなコロナ禍の影響で、サッカー界にも多大な損害がもたらされた。なかでも、数多くの感染者が報告されているイタリアでは、ユベントスのダニエレ・ルガーニに陽性反応が出たのをはじめ、多くの選手の感染が報告され、セリエAをはじめとする全ての公式戦の延期が決まった。

 感染状況の拡大に伴い、再開の目途は立たっていない。そんな非現実的な日常に、選手たちも戦々恐々としている。アタランタに所属するドイツ人MFロビン・ゴゼンスは、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』のインタビューで、「恐怖を感じている」と漏らした。

 というのも、アタランタの本拠地ベルガモがあるロンバルディア州は、イタリア国内でも感染が特に広がっている地域なのだ。ゴゼンスは次のように街の様子を語っている。

「ロンバルディア州は感染の中心であり、他のヨーロッパの地域でこれほど深刻なケースが出ていないことを耳にしたときは恐怖を感じた。その日に僕はこう言い聞かせたんだ。『わかった。以前は武漢であり、遠く離れていたけど、今はここなんだね。いま、僕らは危険に晒されているんだ』とね。恐怖があるのは近隣の地域だけではなく、ゴーストタウンのようになってしまったベルガモも、だ」

 大学で心理学を学ぶなど知性派として知られるMFは、さらにこう続けている。

「僕らはみんな、新型コロナウイルスを軽視しすぎた。僕も最初はそうだったよ。せいぜいインフルエンザ程度だろうとね。

 だから出かけたり、レストランへ行ったり、友人に会いに行ったりもしていた。でもこれほどの脅威だとは、これほどの力があるとは、誰もが思ってもいなかった。これだけ多くのケースが出てきて、ようやく理解することができた……」

 いまだに感染者が増え続けているイタリア。それだけにカルチョで戦う選手たちも心中穏やかではないだろう。いまはただ、多くの人々が普通の生活を取り戻せるようになることを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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