久保建英のマドリー復帰のキーマンは“121億円男”ベイル!? いま最も現実的な来季の所属先は――

2020年03月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

リーガのEU外選手登録は3人まで

マジョルカで研鑽を積んでいる久保は、シーズン終盤に入って存在感を高めている。 (C) Mutsu FOTOGRAFIA

 シーズンが佳境へと向かうなかで、日本サッカー界の"至宝"の去就問題がクローズアップされている。ラ・リーガの名門レアル・マドリーからマジョルカへ期限付き移籍中の久保建英だ。

 昨夏にマドリーへ電撃移籍した18歳の俊英は、出場機会を求めてマジョルカへと移籍。シーズン序盤戦こそ出場機会が限られていたが、終盤に入って好プレーを見せ始めている。

 今月7日に開催されたラ・リーガ第27節のエイバル戦では、待望の今シーズン3点目を決めるなど、久保はマジョルカがここ3試合で奪った全5ゴールに関与。一時のサブ降格から立ち直り、評価も高めている。

 そこで注目を集めているのが、来シーズンの動静だ。マドリーへ復帰するのか、マジョルカでレンタルを継続するのか、はたまた他クラブへと貸し出されるのか――。その去就は現地メディアでも話題となっている。

 やはり本人にとっての最大の目標は、武者修行から戻ったマドリーに留まり、世界的な名手たちとの激しいポジション争いに身を投じることだろう。だが、待望の復帰は厳しい見通しとなっている。

 というのも、久保はEUパスポートを持っていないのだ。

 スペイン紙『AS』は、久保がEUパスポートを持っていないことも「状況を複雑にしている」と伝えている。ラ・リーガではEU外選手は3人しか登録できないが、すでにマドリーは、エデル・ミリトン、ヴィニシウス・ジュニオール、そしてロドリゴでその枠が埋まっている。また、2月に獲得したばかりでBチーム登録のヘイニエルがトップ昇格となれば、外国人枠に該当する。つまり余分な空きがない状況なのだ。

 さらに久保のマドリー復帰への道を狭める可能性があるのが、13年の夏に1億100万ユーロ(121億2000万円)でトッテナム・ホットスパーから移籍したウェールズの英雄ガレス・ベイルの存在だ。

 スペイン紙『Marca』などによれば、ベイルはイギリスのEU離脱に伴って外国人選手扱いになる可能性が小さくないという。仮に年内に英国とEUが市民権について合意ができなければ、選手登録が変更され、EU外枠の見直しは必至である。

 ジネディーヌ・ジダン監督の構想からは冷遇されているベイルが、今夏の移籍市場で新天地を求める可能性は小さくないとはいえ、いずれにせよ、すでにマドリーで戦力となっているブラジルの原石たちの間に久保が割って入る余地は、現時点でいえばほぼない。

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