“新型コロナ禍”で迎えた3月11日。川崎の選手たちが抱えた想い

2020年03月16日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「今後もできることを続けていきたい」(谷口)

リーグ再開に向けて練習に励んでいる川崎の選手たち。今年も3月11日を特別な想いで迎えた。(C)SOCCER DIGEST

 Jリーグは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2月25日から公式戦の延期を決定。各チームは対応策を取りながらトレーニングを続けており、東日本大震災から9年目となる3月11日は中断期間のなかで迎えた。

 川崎は独自の復興支援活動として「東日本大震災復興支援活動 Mind-1 ニッポンプロジェクト」を2011年から開始し、「支援はブームじゃない」を合言葉に様々な活動を継続的に実施してきた。

 今年は新型コロナウイルスの影響で、毎年3月11日の街頭募金活動は行なわなかったが、「ReMind-1 週間」として3月9日から15日までは振り込みでの募金活動を実施した。

 クラブにとっても特別な日を小林悠は「復興はかなり進んでいますが、その時のショックはやっぱり忘れられません。やれることは少ないですが、思い出すことはすごく重要だと思います。これからもチームとして様々な協力をしていきたいです」と語る。
 当時は中断明けの一戦で仙台と対戦したが「(あの試合は)負けましたが、拍手を送りたくなった気持ちのこもったゲームだったと思います。(今回の中断明けの一戦も)サポーターの方は楽しみにしていると思いますし、ぜひ良い試合をしたいです」と続ける。

 また今季からキャプテンを務める谷口彰悟は「毎年、街頭募金をやらせてもらってきましたが、今年はこういう状況で大々的にやることはできませんでした。ただ今後もできることを続けていきたいです。クラブ全体でやれることはたくさんあるはずです。そこにしっかり目を向けてやっていきたいです」と気持ちを新たにした。

 選手たちは不測の事態が続くなかでも「サッカーをできる幸せも改めて感じました」(谷口)との想いを胸に、多くの人に力を与えられるよう前に進んでいる。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部) 
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