【アジアカップ】本田圭佑、三度の“直撃”も「あと3、4回ビッグチャンスを作れるように」

2015年01月17日 西川結城

ふたつのPKで2得点をマークするも、流れの中ではいまだノーゴール。

17分に長友のクロスを頭で合わせた本田。しかしシュートは惜しくも右ポストを直撃した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 最後は本人も、苦笑いをするしかなかった。
 
 65分、岡崎慎司の完璧なポストプレーから、香川真司が前に抜け出す。素早いカウンターで左サイドを縦に行くと、外側から追い越した清武弘嗣にスルーパス。ゴール前、ファーサイドにはフリーの本田圭佑がいる。清武から丁寧に左足で送られたボールを、本田は右足で捉えた。しかし、シュートは右ポストを直撃。ゴールとはならなかった。
 
 シュートがポストやバーに阻まれたのはこの試合三度目だ。スタジアムはため息と物珍しさからくる笑いに包まれ、大型ビジョンには苦々しく天を仰ぐ本田の表情が映し出されていた。
 
 初戦のパレスチナ戦同様、この試合でも本田は早い時間帯で絶好機を迎えた。17分、左サイドの長友佑都が相手DFを翻弄し、右足でクロス。パレスチナ戦でも同じようなシーンからファーサイドで合わせた(オフサイドの判定)が、その時のシュートはサイドネットへ。今度は丁寧に体勢を低くし頭で合わせにいったものの、放たれたボールは目の前の右ポストに当たった。
 
 さらに47分、今度はパスワークからゴール前でボールを受けると、一度は香川へのスルーパスを出したが、これはDFに阻まれる。もう一度転がってきたボールに対し、今度は右足を強振。しかし、シュートはまたしてもバーを直撃した。
 
 そして、冒頭のシーンである。3度の"直撃"のうち、右足で放った2本目のシュート以外は、完全にシュートコースも空いた状態で、あとは押し込むだけだった。誰が見ても、決めなければいけない場面。この試合も初戦に続いてPKを決めて大会2点目を記録したが、結局流れの中ではいまだゴールネットを揺らせていない。消化不良な印象は、否めない。
 
 とはいえ、得点以外の部分では徐々に鋭さを増している様子が窺えた。パレスチナ戦は終始動きが重たい印象だったが、イラク戦は自らのフィニッシュ以外でも再三チャンスメイクに関与した。また速攻の場面では、味方がボールを持つと激しいスプリントを繰り返してはスペースへと流れ込み、ボールを呼び込んだ。こうした、今季ミランで見せている好調時のプレーが随所に見られるようになってきたことは今後の好材料だ。それだけに、右肩上がりの状態を後押しするゴールが欲しかった。

【マッチレポート|日本 1-0 イラク】

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